先日の昭和11年の雲仙案内の続きです。
バスガイドさんの案内の中で「すぐに真正面の上のルネッサンス式石造りの大建築は・・・長崎県庁で御座います。」の長崎県庁が上の写真です。原爆の被害に遭い作り替えられましたが、昔の方がご立派。残っていたなら国宝級。
下の左は愛野無線局の昔の風景で、確か鉄塔が建っていた記憶があります。愛野無線局が無くなった後「日本赤外線工業株式会社長崎事業所」になって、その後、敷地内に老人保健施設ができています。右の赤丸が門ですが、会社名の表札は会社の名前がそのままにしてあります。
右の海が橘湾、向こうの山が釜山、遠くに霞んでいるのが雲仙岳。場所は愛野の展望所みたいなのです。バスは雲仙小浜自動車(株)。
右は一時「日本で一番で小さい」と言われた発電所。確か、バスガイドさんも説明をしていました。千々石の第3発電所。島原半島では千々石に一番初めての発電所ができました。お年寄りのなかには、あかりがついた電球にタバコを押しつけた、という笑い話も残っているそうです。
左は駕籠立て場の展望所。駕籠立て場には無駄に広い駐車スペースがありますが、この場所は、お殿様が風景を楽しんだ、といわれる場所だと思うのですが、現在は立木で見えなくなっています。
右は「島原道」とあるので、島原からの道路です。昭和11年にはこのような道です。いまは立派な道ですが。
この案内書の発行が昭和11年9月30日。雲仙が国立公園に指定されたのが昭和9年3月15日なので、この案内書は国立公園に指定された直後のものです。なお、案内書は元来バスガールの車内案内用の文なのですが、それを纏めて冊子にし、数十枚の写真を添えたものだそうです。
読んで見ると「皆さま、すぐに真正面の上に見えますルネッサンス式石造りの大建築は、・・・長崎県庁で御座います。」のように案内口調で書いてあります。写真が多いので2回くらいに分けて主なものを紹介をします。
雲仙小濱自動車會社は、明治45年6月25日に端を発したそうですが、下のように書いてあります。
明治45年の初夏、その頃珍しい自動車を以て雲仙に登山した外人が、車台に故障を生じ乗捨てたのを利用して、九州でも最初と言っても好い乗り合いバスの営業にかかったのが、我が雲仙小濱自動車ある。
なお、昭和11年頃に大型バス41台、タクシー15台というので、当時としてはかなり大きな会社。
左が小浜町の本社、右が雲仙出張所、良い建物です。
左は小浜~雲仙の登山口。右は「深江供用林道起点」とあるので島原からの道路。どちらも未舗装。
雲仙国立公園の入り口だと思いますが、場所は不明。
右は長崎市内、諏訪神社の入口。バスの左後方が鳥居。昭和11年頃の風景です。写っているバスも雲仙小濱自動車のものだと思うのですが。
上の写真は「小浜町80周年記念誌」より。
車が通っていない時代、小浜~雲仙に行くのには徒歩、普通のカゴ、そしてチャーカゴがありました。で、これ小浜~雲仙の独自のものだと思ったら、他の地方にもありました。
左の絵葉書は裏にスタンプが押してあり、「1906」とあるので、明治39年以前の絵葉書。
左は「宮ノ下箱根富士屋ホテル庭」との説明。
右の写真には「(チャ)チェヤーの変化せし言葉 外人好みて用う・・・」とあります。
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雲仙の場合は「チャーカゴ」言いますが、椅子の「チェアー」が訛ったものと思われます。
真似たのか、誰かが作って販売していたのか等考えられますがどうなんでしょう?
下は小浜~雲仙の途中、駕籠立場の駐車場に置かれたレプリカですが、椅子を丸太に括り付けただけで、上の写真とは違います。国立公園なので、キチンとした物を設置したらどうかと思うのですが。
以前から書いているように、小浜は埋め立てによって姿が昔と変わっています。旅館等の記録もないため不明なところが多いといえます。
上のような写真がありました。見ると「OBAMA HOTEL」、「小浜ホテル」ですね。で、はじめて聞いた名前なので、小浜の方に聞いたら誰も知りませんでした。特徴は赤丸の3つの窓です。
よく見ると、お隣にも同じような感じの洋風の建物があり、多分「一角楼」(現浜観ホテル、以前の小浜観光ホテル)という感じがしたので、他の写真、下の左側と比べると、真ん中の建物の屋根に「IKKAKURO」と書いてあって間違いないわけです。左の写真の左の矢印、窓の特徴が最初の写真と同じです。
ただ、最初の写真の「OBAMA HOTEL」の文字がなんとなく写真の上から書いてあるみたいなので、気になってもう一枚の写真を見たら、右の写真です、上向きの矢印、「TEL」という文字が読めて「HOTEL」の最後の3文字なので、小浜ホテルですね。
真ん中の下向き矢印が一角楼、一番右の矢印がこの間紹介した「共同風呂」、今のローソンです。
と思っていたら、下の写真があり、一番左が「OBAMA HOTEL」、真ん中が一角楼、左がローソンのはずなのですが、ホテルの名前がありません。建物の状態はこちらが良いようなのですが。
なお、明治42年発行「小濱案内記」には右のような宣伝が載っていて、一角楼は2棟のホテルなんです。
ということで、一角楼が最初「OBAMA HOTEL」を名乗っていたのか、「OBAMA HOTEL」が一角楼に吸収されたのか、別館であったのかとも考えられますが、全くの謎でありました。
なお、この「OBAMA HOTEL」についてご存じの方、コメントをお待ちしています。
(写真はクリックするとキレイに見えます)
昨日天気が良かったので、ご近所の桜巡りへ。
最初に橘公園(橘神社)。普通、橋の上から撮るのですが、たまには下から。絵になりますね。右は、ライトアップの夜桜。
橋の下、あまり人ゴミでゴチャゴチャしないので良いところです。
コロナの心配も少し薄くなり、日曜、天気は良いということで、久しぶりの人混みでした。千々石名物の”じゃがちゃん”。
小浜の”とけんさん公園”。海が見えるすてきな公園です。
森山の桜のくぐり抜け。TVなどで有名になったので、車が混雑。
同じく森山、仁反田川河川公園。良いところですが、人が来ないのは何故でしょう。はやりTVなどで放送されないと、人は寄らないのでしょうか。
森山図書館付近の歩行者用の道路。この道を作るとき、当時の町長さんがジョギングやウォーキングに使うので、舗装はしなという方針でした。歩きやすく、桜が国道から奥の方まで続いて、歩くと気持ちが良くなります。
森山の横山地区の桜。聞いてみたら、横山地区でただ一本の桜で・・
”横山一こん桜”という名前をつけたそうです。地区の方が集まって、親睦を深めるためこの桜の下に集まって飲み会をするそうです。桜の左側バーベキューの道具が置いてありました。
横の溜め池に、時々紹介をしている”溜池のオブジェ”があります。今回はヒマワリかな?
今日は、早くも花びらが舞い始めていました。花の命は短くて・・・ですね。人生も同じ。歳を取っていけば分かります。
鶏卵写真、大きさが約11㎝✕6㎝。
丸印、矢印のところ、岩の間に入浴をしている数名の姿があります。クリックすると拡大します。
裏面に、「小濱」とあり、小浜には本湯、新湯、天徳湯、明治湯(多分、豊後湯?)、常磐湯、入徳湯とありますが、「入込湯」とは聞いた事がなく、若狭にも小浜市などがあり、そちらの方かと思いネットを調べたのですが、このような風景は無く、とにかくこちらの資料を一月ほど探しました。
私が歩けば女性は避ける、犬が歩けば棒に当たる、というとおり、「国立国会図書館デジタルコレクション」に金井俊行氏の雲仙、小浜あたりを書いた「温泉案内記」があり、見事ビンゴでした→こちらをクリック。
文章が長いので簡単に説明すれば、本湯内には特別湯が二室、一浴十五銭。外に、貮銭湯壹銭湯があり、以上は午前6時~午後10時に限っていたそうです(入浴時間)。
その他、「追込湯」というものがあり、昼夜の区別無く勝手に入浴できたそうです。これは単に入浴料では無く「宿泊シタル者ハ惣シテ一日二付一厘五毛ヲ拂フヘキ規則タリ是レ則チ追込湯ノ湯銭ナリ・・・・此地二來ルノ人ハ惣シテ此追込湯二浴スルノ権利ヲ有ス・・・・」
ということで、小浜に宿泊するものは全員一銭五厘を払い、これが追込湯の湯銭であったという事です。
追込湯とは多分、誰でも彼でも、このような湯に追い込むようにして入れた、という事ではないかと思います。
いい湯に入るのに、15銭、1銭、2銭。追い込み湯は1厘5毛。一桁違います。
なお、この写真は金子俊行氏の「温泉案内」により意味を持ち、「温泉案内」の「追込湯」はこの写真によりイメージとしてハッキリとしたということで、大きな意義を持ったと思います。なお、鶏卵写真は一枚物なので、貴重な写真と言えます。
なお、よく見ると混浴ですね。ワタシも一回はしてみたいと・・・よく考えると、オクサマとは若いとき、混浴しましたね(^_^;)。
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