武士はつらいよ(島原藩士の場合)~再び島原藩士の税金について
以前、この本を元に「島原藩士の税金」ということで書きました。
島原藩の場合、年貢は6公4民で6割が年貢でした。武士もこれと同じ割合で取り上げられていました。ところが、島原藩の武士の場合は、別に御借米ということで借上げが行われていました。
で、この本を読んでいると「御借米」がどれくらいかという事が書いてあり、年代によって違いはあるのですが。享和3年(1803)の場合です。
この御借米については、藩主の交代による交替移封のための多額の藩負債、その他の借財等があり、その返済の一つの方途として家臣の俸禄借上が実施されたそうです。
1300石は大老、100石~300石は中老、御用人、城代、奉行クラスになるそうです。
石高1300石の大老の場合、6公4民で6割引かれて支給石高が520石。ところが御借米としてさらに234石引かれ、支給石高286石。ということで、支給が1300石、手取りが286石。支給額22%という信じられない数字です。今で言えば、年収1300万の人の手取りが286万円と言うことです。
200石の場合、6割引かれて80石、それから御借米で26石引かれて手取りが54石。支給額27%。
100石の場合、6割引かれて40石、それから御借米で12.3石引かれて手取りが27.7石。支給額27.7%。
普通、領民は武士から搾取されヒドイ生活を送り、武士は優雅に暮らすという社会構造なのですが、島原藩の武士はかなりつらかったようです。
興味のある方は、上の本に詳しく書いてあるのでご一読を。
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