ダルマさんなのだが・・・★あてにならない附録(橘神社年始予定)
なんとも面白い掛軸を拝見しました。男性はその風貌、耳輪等から見てダルマさん。後で紹介しますが、箱書きにも「達磨」と書いてあります。女性はどう見てもオカメ(おたふく)さんですね。
達磨(だるま)さんは、中国禅宗の開祖とされるインド人仏教僧だそうです。悟りを開くまで壁面に向かって座ること九年。「面壁九年」です。
昔は、「ダルマさんが転んだ」などといって遊びました。選挙の時、選挙事務所に飾ってあり、当選すると目を入れます。
絵は、素人目ですが細部に至るまで良く描けています。足袋が紐で結んでありますが、これは「紐足袋」だそうです。今も使っているような感じですが、江戸末期末期までは使われたようです。
ダルマさんが持っている品物がヤカンにハタキに火箸。しっかりと手を握っているところを見ると、なんとなく駆け落ち風です。
右上に書かれている画賛の文書、書いた方が「⚫庵主」。出だしの「如是」はお経の最初に書かれている言葉で”かくのごとく”。
最後の「咄々(とつとつ)」は、舌打ちをするさま、怒ったり、驚いたりするさま、驚いて嘆声を発するさま(大辞林)などがあるようです。漢文の素養が無く、画賛の意味が分からなく残念。
絵の署名の所に「袖華」とあり「東京文化財研究所」のホームページには「中田袖華」として載っていましたが同一人物かどうか不明。→こちらをクリック
箱書で表に「達磨入廛垂手(だるまにってんすいしゅ)画賛」「廛(てん)」は「市内の平民の宅地。すまい、やしき・商品を貯蔵する倉庫・店舗」等々だそうです。
裏の方に「⚫庵主」ですが、掛軸の紹介で「一庵主」とあったので、多分「⚫」は「一」だと思います。
「入鄽垂手」について調べたら、「十牛図」(悟りに至る10の段階を10枚の図で表したもの。真の自己が牛の姿で表されている→こちらをクリック)にあり、最後の図が「入鄽垂手」(廛、鄽も同意語)で、「悟りを開いたとしても、そこに止まっていては無益。再び世俗の世界に入り、人々に安らぎを与え、悟りへと導く必要がある」と言うことだそうです。
なお、「入鄽垂手」の図には布袋腹でボロをまとった人物も見られ、なんとなく達磨を思わせる姿です。また、「十牛図」は禅に関係があります。
私的解釈ですが、「達磨」さんがボロボロの服を着て、見れば爪も伸ばし放題。「入鄽垂手」は十牛図の最後の部分なので、達磨が面壁九年、悟りを開いた姿だとも思われます。
おかめさんは神話の世界などにも関係あるようですが、我々にとっては親しみ深い女性。蕎麦にも「おかめ蕎麦」があります。いわば、世俗を代表する女性といっても良いかもしれません。
という事と、「十牛図」との関係を考えれば、達磨さんが悟りを開き、世俗の世界(=おかめさん)に戻り、「人々に安らぎを与え、悟りへと導く」絵だと思うのですが。如何でしょうか???。
【あてにならない附録~橘神社年始の予定】
いつもなら、神社の境内に予定表があるのですが、今年は見当たらなく聞いた範囲での予定です。詳細は神社まで。
1月 7日(金) 七草粥振る舞い 時刻不明
1月11日(火) 鏡開き 焼き餅振る舞い 時刻不明
1月20日(木) 橘神社大寒禊
2月13日(日) 大門松解体
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