「篭立場」?「駕立場」?「籠立場」?雲仙市
上の絵葉書は、多分、明治の終りの頃のものだと思われます。雲仙市小浜町からお山雲仙の途中の「かご立場(たてば)」です。
説明に、左は「温泉(うんぜん)山中膓籠立場」。右は「駕立塲之全景」。実はこの場所が多少問題になっておりまして・・・
下が、現在一般に「かご立場」と紹介されている場所。端の方に、雲仙までこれに乗っていった、というレプリカが置いてあります。これは「駕立場」の表示があり、下の説明版に「小浜ライオンズクラブ20周年記念事業」とあります。
実は、この場所が上の絵葉書の場所なのかの問題があり、調べて大体わかったのですが、この件はまた詳しく書きます。
上の場所のすぐ近く、バス停と道路舗装の完成記念の碑と「かご立場」の看板があります。
左が島原バスの停留所「篭立場」。右は多分その筋の方が作ったと思われる「駕立場」の看板。
「籠立場」「駕立場」「篭立場」と三種類の言い方がありましたが、どれが正解でしょう。
「立場(たてば)」は、街道の途中、特に坂道など難所の所で、ひと休憩する所。ですから「籠」「駕」「篭」と違いを調べればいいという事になります。
辞書とか、ネットで調べてザックリ書くと、
「籠」は、竹や藤や針金など線状の物で編んだり組んだりした器物。
「駕」は、これ一字で「かご」の読みは無く、音読みで「ガ」、呉音、漢音で「カ」。意味は、馬の首にくびきを装着する、馬を車につなぐ、またがる、のる、馬車、車に乗る、というのもあるので、何となく近いようですが、一字で「かご」はありません。
「篭」は、土を入れて運ぶもっこ。物を入れる竹製の器等々。
それでは、何が正解なのサ・・・というと、辞書には「駕籠」、「乗物の一種」。ウイキペディアにも「駕籠」とあるので、これが正解だと思われます。
いつも、お世話になっている「近世風俗志(守貞謾稿)」(江戸時代の風俗史の基本文献)にも「駕籠」として「かごと訓ず。今川貞世が鹿苑義満の厳島での記に・・・」というのもありました。
で、結局、今の「かご立場」の標記は全部間違いということになります。多分ですね。
あちらこちらに看板が立っていて、どの場所が正解かというと、地区の方に聞いたところ、ここ一帯を「かご立場」ということで、どこに立ててもウソではないと言えますネ。
ということで、一番上写真は「かご立場の茶屋」というのが正解だと思うのですが、これについては、又、後日。
今日は、急いで書いたので間違いがあると思いますが、その時はm(_ _)m、ごめんネ。
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