「剱岳─線の記」★髙橋大輔著
新田次郎の「劔岳ー点の記」を読まれた方、映画で見られた方は多いと思います。
未踏峰だと思われた剱岳に三角点を立てるべく、明治時代、測量官・柴崎芳太郎氏が挑み登頂するも、山頂には錫杖と鉄剣が置かれていて、すでに登頂者がいた、という物語でした。
この「剱岳ー線の記」には、この錫杖と鉄剣を誰が置いたかを検証するノンフィクションです。著者はロビンソン・クルーソーの居住地跡を発見した冒険家・髙橋大輔氏。
氏は下のような設問を設定し、謎に挑んでいきます。
「いつ」「誰が」「どのように(山頂をきわめたか)」「どの(ルートは)」「どこに(山頂のどこに錫杖頭と鉄剣を置いたのか)」「なぜ(山頂に立とうとしたのか)」
険しい山、今のようにルートも無く、装備も無い時代、何のためにという疑問は誰しも持ったことだと思います。
そのため、色々なルートを考え、また、剱岳に関する本(最後に参考図書が書いてあります)を調べ、土地に残る地名等を調べルートを設定し、地元の人、研究者の支援を得て、実際に5回剱岳に挑み謎に挑んでいきます。
あまり書くとネタばれになるので止めますが、初登攀した人物が、現代人のように「山があるから」「山が好きだから」登った、ということではなく、もっと深い意味があったことが書いてあります。
そして、このことが、平安時代に剱岳を開山した人物と柴崎芳太郎氏が明治期に剱岳に登頂し、そこに錫杖と刀剣を見つけた事が必然であり、この本の題が「剱岳ー点の記」ではなく「剱岳ー線の記」である事の意義が最後に書いてあります。
新田次郎氏の本に「槍ヶ岳開山」という本があり、槍ヶ岳に初登攀した修行僧・播隆について書いてあるそうですが、この人物も剱岳に初登攀した人物と同じような感じなので、この本、いつか読んでみようと思っています。
なお、剱岳に残された錫杖の杖頭、刀剣の写真(立山博物館所蔵)も載せてありますので、興味のある方はお読みください。
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