「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」★東野圭吾~本の帯についての推理
先日、本屋さんに行ったら上の本が平積みで置いてありました。
見ると多少の違和感を覚え、何故かな?と思ったら、表紙に”帯”が無いんですね。別名”腰巻”とも言います。私としては”腰巻”の方が好きで、これを取りながら、”殿、およしになって・・・"、”まあ、いいではないか・・・”などと言いつつ・・・あまり書くとセクハラになるので止めますが。
この帯についてこだわるのは、若いとき印刷会社に勤めていて、その関係で出版社にも多少かかわりがあったからで、本を売るのに関しては編集の方必死です。
本の帯は本が平積みになっているとき、他の本より目立たなければ効果がなく、また、パッと見て本の魅力なども伝えなければならければならず、意外と本の帯に惹かれて本を買う人もあります。
というように、重要な”帯”なのですが、この本になぜないのか?一応、1,800円+税、少ない年金の中から払って買ってきました。東野圭吾さんについては”容疑者Xの献身”は読んで、なかなか面白いな、とは思ったものの日本の推理小説は苦手で、あまりは読んでいません。
余談ですが、やはり推理小説で面白いのは”シャーロック・ホームズ”ですね。中学校3年の2学期に読んで、受験勉強もせず読みましたが、それなりの高校に入れたのは、私の頭が良かったのか、テストが簡単だったのか・・・
小説の内容は、観光地ながらも余り有名で無い、寂れた町。その町で退職した学校の先生が殺される。離れて住んでいた一人娘の真世。警察から連絡があり、ふるさとに向かいます。
と、まあ、ありふれた出だしですが、ここに、叔父(叔父は父母の弟、伯父は兄、叔母、伯母も同じ。一応念のため。)が突如登場。叔父は高校卒業後マジッシャンを目指しアメリカへ。サムライ・ゼンと名のり、アメリカでは売れたマジッシャンらしいが、今は恵比寿で小さなバーを開いている。この叔父の登場で、俄然小説が面白くなります。
この叔父の所には、警察からは連絡が無いのに、なぜ家にきたのか?。実家には、ほとんど寄っていません。真世とも2,3回合った程度。え!これあり、という感じですが。
あとは、叔父がマジッシャン仕込みの仕掛け、ハッタリで推理を進めるという展開になります。この叔父が事件を解決していくところ、シャーロック・ホームズと杉下右京さんを思い出します。
さて、本論に戻ります「帯」の話ですね。本を読んでも勿論このことについては触れてありません。帯をしなかった事については。
①編集者が忘れた、ということは、まず考えられません。
②印刷が間に合わなかった、ということも考えられません。
③印刷したが編集者なり、著者が気に入らなかった、ということも考えられません。デザイナー、作者とは十分に打ち合わせはしているはず。
④作者が東野圭吾さんだから、黙っていても売れる。ということも考えられません。
ということを考えながら、表紙をよく見ると表紙の下にもう一つ表紙が隠されていました。下の写真です。
これには「帯」がついています。表紙カバーは色が違っていますね。ただ、それだけの違いです。表紙カバーが気に入らなくて刷り替えたのかとも考えたのですが、印刷前から編集者、著者とは入念な打ち合わせをするので、考えられません。
一応、帯を外した状態です。色が違っているだけで他には変わりはありません。となると、問題は帯です。多分。と言うことで、「帯」をよくご覧下さい。クリックすると拡大します。
さて、以下はあくまで私の推理です。
表の表紙の「帯」に「コロナの時代に、とんでもないヒーローがあらわれた(注:叔父さんのことです)・・・」。裏表紙の「帯」に「殆(ほとん)どの人が訪れたことのない平凡で小さな町。寂れた観光地。ようやく指した希望の光をコロナが奪い、さらに殺人事件が・・・・」とあり、この本にも「コロナ」が町に及ぼした影響のことが書いてあります。
現在、コロナが猛威をふるい、みんな戦々恐としている状態があり、SNS等での炎上、自粛警察なども現れる時代、「コロナの時代・・・ヒーローがあらわれた・・・」。
「寂れた観光地。ようやく目指した観光の希望をの光をコロナが奪い・・・」。今、寂れた観光地どころか有名観光地までアップアップしています。
このような時代、上のような表現が適切かどうか、出版に関わる人が気づいたのか、他から指摘があったのかとも考えられます。で、新しい表紙カバーをつけ、帯を隠すようにしたかと考える事ができます。
さて、表紙の色が変わっていますが、本の取り取次会社か直接本屋さんに依頼したのか分かりませんが、同じ表紙の取り替えを依頼すると、なぜ?ということになるので、色を変えて、「作者(デザイナー、出版社)が出来たものにが気に入らなかったから」と言い訳はできます。
本来なら、帯だけを取りかえれば良いのですが、それなら又「なぜ?」ということになるので、新しい表紙を被せることになったと思います。本屋さんにはそのまま新しい表紙カバーを被せて、と指示したのか、本屋さんも忙しく、古いカバーを取り、帯を外し、新しいカバーと帯を付け事ということは面倒くさいので、そのまま新しいカバーを付けたのかどうかは分かりませんが・・・。
以上が私の推理になります。あくまで、私の推理で。本当かどうかは分かりません。
今年はコロナで日本中というより、世界中が振り回されました。早くコロナが終焉を迎え、以前のような平和な生活が戻るように願いつつ、努力するところは努力したいと思っています。
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