「大江戸火龍改★夢枕獏著」「気がつけば、終着駅★佐藤愛子著」~本を二冊ばかり
夢枕獏さんの新刊が出たとかで、お店に行ったら上の本でした。
私的には「キマイラ」か「新・餓狼伝」か「東天の獅子」の続編を期待していたのですが。
この本で又新しい主人公「遊斎」が登場しますが、これを主人公に新シリーズ物を出すんじゃないでしょうね?というのが感想ですが・・・脇役として平賀源内も少し顔を出します。
短編が三編、長編が一篇。いずれも「怪事(あやかしごと)」。
本の帯に「江戸時代、凶悪犯を取り締まる火附盗賊改の裏組織が存在した。専ら人外のものを狩り鎮めるその名は、火龍改。」とあり、前書きにも「江戸幕府が定めた組織や役職にはこの名(注:火龍改)がない。・・・」「『火龍改』の頭は、表向き老中が定めることになっていると言われているが・・・」「彼らが関わった事件は、江戸の歴史を通じて多々あるが、このこと『徳川実紀』にも記されていない。」と書いてあり、いやでも江戸を揺るがす大事件を「火龍改」が解決すると期待するじゃありませんか。
で、これがまったくなく、少々期待外れでしたが、ひょっとしら続刊に続くのかな?
興味あるのが後書きで、夢枕獏さんが如何に書くことが好きで、書き続けたいかが分かります。
なお、今回のコロナの事、政治家の態度についても言及をし後書きの最後に・・・
いいか、書いておくぞ、
ちゃんとみているからな。
誰が何を発言したか、どんな目つきをしていたか、忘れないからな。必ず覚えておくからな。
もしも、この命ながらえたら、次の選挙の時、覚えていろ。
佐藤愛子さん御年96歳。大正12年生まれ。お父さんは佐藤紅緑、異母兄がサトウハチローさん。
最初のご主人は軍隊での病気が原因でモルヒネ中毒、離婚。二回目のご主人は田畑麦彦さんですが、麦彦さんの会社が倒産。債権者対策のため離婚。なお別当薫さんとも何かあったとか。
この本は50年前から「婦人公論」に執筆したもので、純粋な新刊ではありません。その様な事情から最初は出版を辞退したそうですが、出版会社の方「五十年前ですよ。読んだ人がいたとしても中身は忘れています。亡くなっている方も少なくないと思いますがね」と言われたそうです。
面白い所があるので、引用しようと思って付箋を貼っていたら、写真でご覧の通り付箋だらけになりました。いろいろと引用するにしても愛子さんが書くように「なにを言っても年寄りの繰り言になってします。」というように、若い方には「繰り言」ととらえる方が多いと思います。
ということを思いながらも「・・・今は、人は楽しむために生まれてきているという考え方が勝っていますね。そのせいか『楽しくなければいけない』という強迫観念みたいなものにとらわれてしまっているのではないですか。女性の場合は『いい女でなければいけない』『いい恋愛をしなくては』とかー。今、みんなそんなふうに表層的なところばかり見て、思考などというものは捨ててしまったような気がします。(中略)『言葉だけが躍っている』って、つまりそういうことなんですよ。」「寂しい?当たり前のことだ。人生は寂しいものと決まっている。寂しくないほうがおかしいのである。」
人生に何かを感じたい方は、ご一読を。
(おまけ)
村上春樹さんの「一人称単数」。まだ、読んでいません。今から読むところです。
数年前、村上春樹さんフィーバーが起こりました。ノーベル賞候補、「IQ84」「騎士団長殺し」と評判になりましたが、最近は名前を聞くことが少なくなってきたようです。人の心は移ろいやすく・・・
騎士団長はまだ続きがあるようなので、出版されると再び評判になりとは思いますが。私はあまり良い読者では無いのですが、時々は読んでみようと思っています。
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