第四回「えんがわ・一畳の気まぐれ資料館」
「えんがわ・一畳の気まぐれ資料館」も第四回を迎えました。
「千々石の古(こ)絵葉書」「原城の乱関係の絵図・軍記物」「物語の挿絵原画・アニメーションの資料」ということで展示をしましたが、アニメーションの方は子どもさんが興味を持っているのか、えんがわの家主の西田さんの方でもFacebookで宣伝をしていただいたせいか、市外からも、子ども連れで見に来られた方もおられ、展示をした甲斐がありました。
今回は新年、春らしいものをと、栗原玉葉、森川青坡の掛け軸と正月用引札の展示をしました。
栗原玉葉、森川青坡についてはあまり知られていないと思いますが・・・・ざっくりと書けば・・・・
栗原玉葉は長崎県南高来郡吾妻町(現雲仙市)明治16年生まれ。梅香崎女学校で学び上京、私立女子美術学校に入学、卒業時には184名を代表し壇上に立つ。
研鑽を積み各種美術展に入選。特に、第七回・八回・九回・十一回・十二回の文展、第三回帝展に入選。一時は、西の松園(上村松園・女性初の文化勲章受章)東の玉葉とも呼ばれ、同時代を代表する女流作家として活躍。
残念ながら39歳の若さで夭折したため、時代のなかに埋没し、一般的には名前も忘れられていましたが、昨年、長崎歴史文化博物館で特別企画展が開催され、再び関心を集めるようになりました。
上の写真左側が栗原玉葉。玉葉は婦人雑誌、少女雑誌にもかなりの数の表紙、口絵を描いていますが、掛け軸の下に並べているのがその雑誌です。
森川青坡は長崎県(多分長崎市)明治34年生まれ。右の掛け軸。京都で伊藤小坡、西川翠嶂に学ぶ。第九回・十回・十一回・十二回の帝展に連続入選。かなりの力量だという事が分かります。昭和19年の美術展出品後、画歴、消息、没年とも不明。上の右の写真は絵葉書になっていたもので、第九回帝展の出品作品「嶋めぐり」。時代としてはモダンな作品です。
今回の展示は合わせて「正月用引札」の展示。
引き札は、ざっくり言えば、チラシ、ポスター。江戸時代からありましたが、明治のころから色彩豊かになり、大正時代にかけて最盛期。その後、印刷技術の発達により衰退しますが、特に正月にお得意様、ご近所に配られた引札は「正月用引札」といわれ、明治ロマン、大正ロマンを感じさせます。三つ折り、四つ折りにして熨斗(のし)を付け配ったといわれています。残念ながら長崎の「正月用引札」は見つけきれませんでした。引札については以前どこかに書いたような?・・・(^_^;)
座敷の障子が寂しかったので、こちらも利用させていただきました。
チラシです。予算の関係から、ご町内限定の新聞の投げ込みになります。クリックすると、大きく、読みやすくなると思います。多分。急いで書いたので、「松園」を「玉園」と書き間違えました。弘法も筆の誤り<(_ _)>。
雲仙市内の方は図書室に配る予定なので、ご利用を。
入場無料。会場は千々石郵便局の近くです。通りかかられた折はお立ち寄りを。3月末まで展示。お客さんが多いときは延期します。なにせ「一畳の『きまぐれ』資料館」だから。展示期間は、あって無きが如し。
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コメント
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素晴らしい興味をそそる展示物 特に色褪せがあまりない引き札のコレクション凄いです 楽しく拝見させていただきました
投稿: YOKOTA | 2020年1月13日 (月) 18時56分
ご観覧いつもありがとうございます。
気にいただけたら、感謝です。
投稿: sugikan | 2020年1月13日 (月) 20時49分
昨日見に行ってきましたが特に「引き札」のコレクションは素晴らしかったですね
投稿: 心づくし | 2020年1月26日 (日) 22時25分
ご来場ありがとうございます。
また、ブログに取り上げていただき、お褒めの言葉ありがとうございました。
気まぐれに、気長に続けようと思っています。
投稿: sugikan | 2020年1月27日 (月) 22時42分