「明智光秀五百年の孤独」宮崎正弘著~重箱の隅をつつくような事でスミマセン
来年のNHKドラマが明智光秀を主人公とした「麒麟がくる」だそうです。NHKの説明では謎の前半生に光があてられるそうです。が、はやり興味あるのは信長殺害の謎でしょう。これには多種多様な説があり、Wikipediaをみても、どれが本当か分からない。
大河ドラマが明智光秀のせいか、光秀に関する小説、評論が増えてきました。事実は一つ解釈は百通り、といった感じ。この本の著者の宮崎氏は、光秀に関わりのある土地を回って検証を重ねています。
最初に有名な「愛宕百韻」の「ときは今天が下しる五月哉」の解釈からはいりますが、この解釈は覚えている限りでは、初めて読んだ解釈になります。詳しく書くとネタバレになるので、各自読んでネ。
氏は時の歴史の把握から信長殺害について、いろんな説をなで切りにしながら謎に迫ります。ただ、この説が正しいかどうかは読者の判断によるでしょうが、ご一読を。
さて、今日はこの本に書いてある事について「重箱に隅をつつくような事で」氏が書いている本論とは、まったく関係の無いことです。
氏の本に「なにしろ本能寺の変では近衛邸の屋根から御所に弓を放ったという尾ひれのついた話も京では庶民が噂した。近衛邸から本能寺まで弓も鉄砲も届くはずはなく、近いとされる二条御所との距離は三百メートル以上、弓の射程はせいぜい五十メートルである。」との記述があり、この「距離は三百メートル以上、弓の射程はせいぜい五十メートルである。」の所。特に気になるのが「弓の射程はせいぜい五十メートルである」。
「射程」の定義をどうとらえるか、単に届く距離のことなのか、的に当てることなのかですが、「近衛邸の屋根から御所に弓を放った」と書いてあり、人を狙ったとか書いてないので、単純に届くかどうかの問題と思います。
さて、弓の競技では近的競技と遠的競技があり、近的競技は距離が28メートル、的は直径36センチ。遠的競技は距離が60メートル、的は直径1メートル。
といことは、「弓の射程はせいぜい五十メートル」ということはありません。とくに「せいぜい」ということはありません。的が直径1メートルなら、人の身長が160センチ~170センチが普通だと考えると、五十メートルは十分に的として狙える距離です。
以前、九十九間堂の弓通しの事を書きましたが、あれは軒の下の廊下に座って弓を射ちますが、距離は約120メートル。120メートルは弓を上に向けて射てば、多分ある程度練習をした方は届くと思いますが、三十三間堂には庇があり高さが4.5メートル~5.3メートル、幅が2.6メートル、ということは普通の弓では庇にあたるので、強い弓を使います。
昔、和弓で「射流し」という距離を競う競技があったそうですが、一位は300メートル飛ばしたそうです。ですから、三十三間堂に使ったような強い弓で名手が射れば300メートルは十分に届く距離でしょう。
ちなみに、今は亡くなりましたが弓をやっていた方が、数十年前、矢がどれくらい飛ぶか弓を上に向けて射ったところ、弓道場を越え隣の学校の運動場へ飛んでいき、慌てて追っかけたそうです。休日で誰もいなかったそうですが、かなりの距離です。
なお、どれくらい強いかフライパンをぶら下げ28メートルの所から射ったら、穴があいたそうです。よい子の皆さんも、悪い子の皆さんも絶対に真似をしないように。
以前、私、アーチェリーをしていましたが、90メートルの的を射ち、矢を的の所に取りに行ったところ、私の矢が一本見当たらず、隣の的の人から「この矢誰のですか」との声があり、見れば私の矢でした。とにかく、遠くを狙うのは難しい。女性のハートを狙うのより・・・
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コメント
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こんにちは。
いつも楽しく拝見させていただいております。
ところで、以前アーチェリーをなさっておられたとのこと。
どちらでやられていましたか?
差し支えなければ、お教え願います。
投稿: まっく | 2019年9月11日 (水) 12時29分
コメントありがとうございます。
長崎県内のアーチリー場は、長崎市、大村市、佐世保市の3箇所あります。詳しくはネットで「長崎県 アーチェリ場」で検索をすると詳しく紹介がしてあります。
私は長崎市のアーチェリー場を利用しました。随分前なので違っているかもしれませんが、指導員さんがいて初歩から習いました。初心者用の弓と矢も置いてあります。アーチェリーの道具は高価なので、最初は借りて試してみるのが無難かと思います。場所が分かりにくく、長崎拘置所の近く、白鳥公園(グラウンド)に隣接しています。
大村、佐世保ではどうなのか分かりませんが、初心者の講習会もしているみたいです。いずれにしても、指導員さんが常駐しているか、講習会の日程、道具を貸しているか、休日なども確認して行かれたが良いと思います。
アーチェリーは楽しいですよ、休日などは練習している人も多く、是非一回見学を。
投稿: sugikan | 2019年9月11日 (水) 19時40分
ご返信、ありがとうございました。
当方、高校生の時まで小浜に住んでおりまして、千々石には友達もおり、よく遊びに行ったものです。
高校卒業後は東京の大学に進学し洋弓部に入りました。
”アーチェリー 長崎”で検索して貴ブログへと辿り着き、それ以降楽しく拝見させていただいております。
52歳となった現在もアーチェリーは続けていますので、機会がありましたら長崎でもやってみたいのです。
投稿: まっく | 2019年9月13日 (金) 16時04分
大学から洋弓部におられたということは、随分の腕前だとお見受けしました。
初心者の方だと思ったので、返信には不要な事まで書いたようで、失礼しました。
長崎のアーチェリー場も面白いですが、佐世保のアーチェリー場も数十年前試合にいきましたが、なかなか良い射場でした。こちらも、機会がありましたら、是非、お出かけください。
私も定年したら、もう一度挑戦しようかと思ったのですが、心臓病がでて残念ながらでした。
投稿: sugikan | 2019年9月14日 (土) 20時49分