「『罪と罰』を読まない」~岸本佐和子・吉田篤弘・三浦しをん・吉田浩美
前にも書いたように、目の調子が悪く、外をあまりウロウロできないので、本ばかり読んでます。ということで、多少、本ばかりの紹介が続くと思いますが・・・
この本2015年に文藝春秋から出版されていますが、価格が1675円。私が買ったのが、今年文庫本で出版された756円の本。
本に関わる四人(表紙に書いてある方です)が「とある宴会の片隅で、ドストエフスキーの『罪と罰』を読んだことがあるか?という話になった。/『ない』『ないです』『文庫本は持っているけど』『読んでない』/居合わせた四人が四人とも首を横に振った。」ということで、帯の裏に書いてありますが「ドストエフスキーの『罪と罰』を読んだことのない四人が、果敢かつ無謀に挑んだ『読まない』読書会」という事になったわけです。
確かに、よく知られている大作は、なかなか読まれてないようです。ただ、なんとなく知っている。「罪と罰」も皆さんも、なんとなく中身をしっているようで知らない、ということではないかと思います。
この四人も、断片的な情報だけで、ただ、吉田浩美さんだけはNHKの番組で、影絵の「罪と罰」を見たという事で(ただし15分の短縮版ですが)リードする場面があります。でも、あの大作どうやって15分にまとめるんでしょう?
さて、みなさん少しはヒントということで、最初と最後のページが示されますが、そのうち本編6部ですが、各部から3回、1ページ、ページを指定して皆で読んでいくことになります。このページ指定もどの部分を選ぶか、なるだけヒントが多いページを推理して選びますが、この部分もなるほどです。
途中まで読んで?????と思ったのですが、この本、私も持ってはいるのですが、挫折派です。ですから、四人の読者会の話がどれだけズレているか、正しいか分かりません。
で、考えると「罪と罰」を知らないまま、この四人の会話について楽しむか、「罪と罰」を読んで、どれだけズレているか、ドンピシャリかを楽しむ手もあるかと思い、読んでからとは思ったのですが、はやり「罪と罰」を読むのは、この歳になっては辛い。
どうしようかと思っていると、ちゃんと「登場人物」と「あらすじ」が書いてあり、こちらを読んで残りを楽しみました。
最後は皆さん「罪と罰」を読んで会話が弾みますが、これは読んで見て下さい。
さて、読んだこともない本の「読書会」も、なかなか知的で面白いなと感じました。皆さんも機会があったら是非挑戦を。もっとも、どの本を選ぶのか大変ですが。
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コメント
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私は本を乱読していた50年以上前に読みましたが・・・無論子供だった私に理解は
できなかったのでしょうが「面白かった」という記憶はありますね
題名つながりで「赤と黒」もその当時に読みましたっけ(^^;
そういえば一昨日「美味しいところ天」に行ったら「朝のうちにSさんが来られましたよ」
とお店のおばちゃんから聞きましたが私の顔を憶えているのにはちょっとビックリしました
投稿: 心づくし | 2019年9月14日 (土) 08時59分
昔読んだ本を再度読むと、意外と違って覚えていることが多く、自分の記憶力の衰えを感じます。
ところ天のオバチャンから、「長崎から小柄な美人の奥様と一緒に来られた」と聞きました。うらやましい限りです。
ところ天屋さん、九月が早めに涼しくなって、お客さんが少なくなると早めに店を閉めるので、ご注意を。
投稿: sugikan | 2019年9月14日 (土) 20時35分