「むかしむかしあるところに、死体がありました。」~青柳碧人著
パロディ物です。パロディは元の作品を、いかにひねっているかが問題ですが、この本は全編ミステリー仕立てになっています。
ざっと書けば・・・
「一寸法師の不在証明」
一寸法師はなんと「・・・根っからの悪、妖異でございます。」だと。で、実はある事情で人を殺しているのですが、一寸法師にはアリバイがあり、これをどうやって崩していくかがポイントの物語。
「花咲か死者伝言」
花咲か爺さんが殺されました。ペンペン草を手にして。はたしてこれがヒントになるかどうか。犯人は誰か?
教訓は、夫婦仲良く、話をよくすること。
「つるの倒叙がえし」
つうの恩人、弥兵衛が庄屋さんを殺しました。つうが訪れ、部屋を覗かないように言い機を織りますが、つうは弥兵衛から奥の襖を開けないように言われます。さて襖の向こうには何があるんでしょう?
弥兵衛はつうの織物が高く売れるので、何枚も織らせ大金を得て贅沢をします、性格が変わっていきます。その上女まで引きずり込み、つうは寒空に飛んで去ります。
で、それから随分立って、村につうが現れ、謎解きがはじまります。しかしですね、この物語、8章から成り立っており最後に【一、へ戻り、三、五、七、と読んでいく】となっており、どうなっているかは読んでからのお楽しみ。
「密室竜宮城」
浦島太郞、助けた亀に連れられて、竜宮城へ行きます。もちろん楽しいひとときを過ごしますが、竜宮城で密室殺人(魚)が起こり、浦島太郞も捜査に加わりますがうまくいきません。
で、例によって浦島太郞は乙姫様から玉手箱をもらって陸へと戻ります。玉手箱をあけ煙がモクモクと。その中で浦島太郞が犯人を突き止めます。犯人は意外な人物です。だいたい推理小説の犯人は意外な人物というのが定番ですが・・・
「絶海の鬼ヶ島」
もちろん、桃太郎の話です。ですが、バレーのワールドカップが良いところなので、今日はここまで。興味のある方は買ってお読み下さい。少し考えなければならない所もありますが、パロディものが好きな方はご一読を。
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