「一語一絵」~眞木準著
以前、下の広告を紹介したことがありました。
先日、この記事に「通りすがりさん」からコメントがつきました。この「うちの息子は厳父と岳父の違いも知らない、愚息だ。」というコピーを書いたのは、「眞木準」さんというコピーライターで、10年ほど前亡くなられたそうです。
その中で「十歳にして愛を知った」もご覧下さい、と書いてあり、はて、どういう意味かなと思って、ネットで「眞木準」をググって見ると、意外と面白いコピーが紹介してあるので、上の本「一語一絵」を入手してみました。2003年の出版です。絶版になっており、古本屋さんから取り寄せました。
中身は、下のように、コピー、眞木さんのコメント、どのような広告に使われたが載せてありましたが、ここのところ、もう少し大きくして欲しかった。
途中に「島田雅彦」さんの「広告塔からの眺め」という2,3ページの解説があり、その後「一語一絵 惹句アーカイブ」があり、最後に「惹句 スクロール」と続きますが、この部分はコピーだけの紹介になっています。
で、読んでいくと「十歳にして愛を知った。」と言うのがあり、解説によると。
図書館で調べ物をしているおり、教育漢字の資料に出会い、「そうか日本人は小学校四年生で愛という字を習うんだ、という感慨にふけって、生まれた」そうです。
少し分かりにくいですが、左ページの上、「教育漢字総覧」として漢字がズラッと並んでいます。広告は、ライオンファイル。
これ、年配の方には懐かしいと思います。「トースト娘ができあがる。」、全日空の沖縄の宣伝ですが、今見ても新鮮ですね。
この意表をつくコピーとポスター、大胆ですね。今でも色あせていません。駅でよく盗まれたそうです。
さて、眞木氏は次のように書いています「タレントCMは、結局商品よりもタレントが売れてしまう。世界的に評価が低い。・・・・」、言われてみれば、CMが流れていても商品より、タレントさんをみて、あれ?何の宣伝だっけ。と思うのも、再三再四。
少しばかり、言葉だけですが、紹介を。
■「でっかいどお。北海道」
全日空の広告ですが、北海道の広さを一言で言い切っていると思います。
■「和イスキー」
サントリーの宣伝ですが、なんとも「和」が良いですね。
■「あの人と行って、この人と帰ってきた。」
あるんですね。私の知っている女性も、これと同じことがありました。
■「着やすい。つまり脱がせやすい。」
■「軽そうだ。正しく言うと抱けそうだ。」
なんと、伊勢丹の宣伝ですが、大胆なコピー。
■「四十才は二度目のハタチ。」
■「男は、体のどこかで、20才」
■「三十才前後の少年」
男は、どこか大人になりきれない部分があって、正木ゆう子さんの俳句に「リンゴ投ぐ男の中の少年へ」というのがありましたが、女性も良く見ると少女の部分があり、「カミサンが少女に戻る蛍狩り」という俳句もあります。作ったのは私ですが。駄作ですが・・・
■「男くさいと、くさい男は違う。」
暑い夏です。くさい男にならないように。
■「恋をナメたらいかん。かじるだけにしなさい。キットカット」
■「私の主食は、レタスと恋と缶ビールね。」
キットカットとサントリー缶ビールの宣伝ですが、うまいですね。缶ビールの宣伝は映画にすると面白いかな。
書いたらキリがないので、あとは本を買うか、少しお高いので、図書館にあったら借りて読んで下さい、ちなみに長崎県の図書館で置いてあるのは3館でした。
さて、私が一番好きなのが下の広告。
よく、「愛と恋とはどう違うの?」と聞かれますが、下のとおり「恋が着せ、愛が脱がせる。」が一番の答えだと思います。イミ分かんない人は、まだ子供。大人になれば分かります。
読んでんみて、良い広告、コピーは世相、人生を語るですね。
「通りすがり」さんのおかげで、良い本が読めました。多謝、多謝です。
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