「新・餓狼伝」巻ノ四 闘人市場編~夢枕獏
Amazonで予約をしていて、到着日が7月22日なっていたのが、なんと届いたのが20日の昼。すぐに読み始めて、読了が今日21日の夜2時。で、今日は酷暑の中、昼の2時から二時間ばかり講演会に参加。内容は「有明海の戦国時代」。なかなか難しかったものの参考にはなりました。ということで、今日はフラフラなので、短く。
とにかく、巻ノ四には、格闘部分が多く満足しました。とくに、宮中で、素手で、皇室を守っていた、菊流に関わる姫川源三と、世界征服を目指すと宣言した磯村露風。どちらもかなりの高齢者です。
この二人が、「闘人市場」、要するにアンダーグランド(ルール無しと同然)で戦う事に。で、このレフェリーをするハメになったのが主人公の丹波文七。
丹波文七も試合の中で利用されますが、レフェリーにもこんな利用法があったのですね。
姫川源三が使ったのが「菊式」。どうするかは読んでネ。そして、菊式が書かれた「秘伝帳」の行方は。話は一段落して、各格闘団体の枠を取り払った、格闘技イベントが始まります。二人の試合結果は読んでネ。
と「菊式」の技法を読んで、ふと思い出したのが、手品の技法。
以上、小説の事は、ずっと読んで無い方には分かりにくいので、サービスに手品の技法を一つ。
いつも遊びに行っている家があるとします。遊びにいったとき、額縁の裏なり、あまりいじくらないところにトランプを一枚隠しておきます。ハートのAとします。
次に遊びに行ったとき、手品を見せるよといって、52枚のトランプから一枚選ばせます。もちろん、ハートのAです。任意の一枚を選ばせる方法は種々あり、手品の本に載せてあります。子供向けの手品の本には載っていません。DVDもあります。
さて、ハートのAを目の前で消す(技術と練習が必要)か、面倒くさいなら完全に燃やしてしまいます。その後「額縁の裏を捜して」で、ハートのAがでてきます。みんなビックリします。
手品は「あ!何かやったな」と思ったときには既に遅く、皆さんが思うより早くタネを仕込んでいます。
「菊式」の技法も同じで、「やったな!」と思ったときは既に思わぬところで、仕掛けをしています。
さて、この本の「あとがき」で夢枕獏さん、「いよいよ最終局面へ」と書き、最後に「あと五年で、今の連載の多くを完結させ、五年から先は、これまであたためてきた物語をぐいぐいと書きたいと思っているのである。」と書いています。ということは「キマイラ」も「東天の獅子」もここ五年で終わるということで、私もあと五年は生きていなければならないと言うことです。この暑いのにイヤだな。
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