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2018年6月16日 (土)

「かくれキリシタン・カクレキリシタン・隠れきりしたん」


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6月24日~7月4日に開催される、ユネスコの世界遺産会で「長崎と天草の潜伏キリシタン関連遺産」が指定を受けるような風向きです。確か以前は「長崎の教会群とキリシタン遺産」といっていたようですが、イコモスの勧告で構成を変えた記憶があります。

島原方面は、外海、生月、五島等と違い、はっきりした、かくれキリシタンの「組」がありませんが、禁教後、島原南目の有馬地方、西目の千々石からもバチカンあて、まだキリシタンとして、教えを守っているとの文書が出ているので、形態は分かりませんが、かくれキリシタンがいたことは想像できるところです。

さて、キリシタンの伝来、キリシタン時代、禁教時代と調べていくと泥沼にはまり込みそうなので、できるだけ避けているのですが・・・・

上の3冊の本、「かくれキリシタンの実像★宮崎賢太郎著」は以前から持っていたのですが、まだ読んでおりません。新しいのが「かくれキリシタンの起源★中園成生著」。一番新しいのが「消された信仰★広野真嗣著」。で、この本が意外と売れているらしく。

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いつもの本屋さんの入り口に積んであり、見ていると意外に売れてますね。

さて、宮崎氏と中園氏の意見は分かれており、端的にいうと、表紙、本の帯に書かれておりますが、宮崎氏は「弾圧に耐え信仰を守ってきたとされる〈隠れキリシタン〉が、大切にきたものはキリスト教ではなかった・・・・」との立場です。

「カクレキリシタンは自分たちがキリシタンであることを隠すために、仏教徒や神道の氏子を装って隠れているのではなく、カクレキリシタンの神様を誰かに見せたりすれば災い(タタリ)があるかもしれないとか、拝んでも効き目がなくなることを恐れ隠しているのです。厳密にいえば、彼らはキリシタンではなく、ご神体を他人には見せない『隠しキリシタン』であるというのが本当の姿なのです。」と、本の中では書いています。

さて、中園氏の本は500頁弱あるので、まだ読んでいませんが、本の帯には「従来の『殉教しなかった弱き者』『教義を理解せず勝手に信仰を変容させた無知な信者』『弾圧を避けて辺鄙な離島に隠れた貧しい民』といったステレオタイプ的な捉え方を否定する。
かくれキリシタン信者は本来、為政者の法に逆らうことで弾圧を受ける危険を負いながら、仏教や神道との併存という形の中で、キリシタンの信仰形態を継続させる事を自ら選択した強い人である。」と、宮崎氏とは反対の立場をとっています。

これには2人の立場もあるかとおもいます。以下は私見になりますが。

宮崎氏は、長崎のミッションスクール、純心大学で教鞭をとられ、自らもクリスチャンです。

キリスト教は一神教の宗教で他の神様は認めていません。まして、カクレキリシタンのように、他の宗教と習合することは、認められる立場にはありません。

中園氏は、平戸市生月町博物館・島の館学芸員で、いつも、かくれキリシタンの方とのつきあいがあり、上に書いたような見解を持ったものだと思われます。

さて、「消された信仰」の広野真嗣氏は、あまり熱心なキリシタンではないものの、ジャーナリストで、生月町に何回も通いながら調査をしています。
どちらかというと、中園氏寄りですが、宮崎氏と中園氏の理論もよく書いてあり、最初読むなら、こちらの本がお薦めです。

面白いことに両者について「興味深いことに、かくれキリシタンの祈りの文言の解釈をめぐって、双方とも”現代人の発想”から離れることを求める。・・・」と書いてあり、後は上に書いたように、両者のスタンスの違いだと思います。

「消された信仰」には、そのほか、なぜ生月町が登録遺産に入らなかったのか、県の姿勢、イコモスの方針、また、宮崎氏へのインタビューとその感想など、分かりやすく書いてあります。

さて、遺産として登録されるのは良いことなのか。長崎の大浦天主堂は有名ですが、いつも観光客で一杯です。「信徒のためには大浦教会という別の御堂が近所に建てられており、大浦天主堂を教会として使うのは、極めて限られた記念行事のときのみだ。」と、庇を貸して母屋を取られる、ですね。

また、経済効果も期待されますが、「たしかに、経済効果はわかりやすい。2007年に登録された岩見銀山(島根県)では登録前年に40万人だったが観光客が登録翌年には81万人に増加した。2014年の富岡製糸場(群馬県)の場合はじつに前年比4倍増の133万に上がった(ただし、石見銀山は6年後の2013年以降減少に転じ、2016年は31万人と登録前水準に戻った。富岡製糸場はわずか2年後の16年には80万人に減少している)。」ということで、長崎は離島・天草まで遠距離を含みますから、どうなるんでしょう。

「かくれキリシタン」「カクレキリシタン」「隠れキリシタン」。各立場によって表現が違うようです。自由に教会に戻れるものを、戻らないので、「はなれキリシタン」という人もいますが・・・・

私は、浄土真宗で、阿弥陀如来を頼みとし、同行二人(どうぎょうににん)を信じ、産土神、氏神には数日に一度お参りをし、クリスマスにはドンチャン騒ぎをしますが、いいじゃありませんか。愛する人はカミサンだけなので、信じる神様、仏様はたくさんいても。







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コメント

宮崎賢太郎氏著「潜伏キリシタンは何を信じていたのか」を読んでいますが、キリスト教を民衆が受け入れるまでの過程に対する資料と論理的考察がかなり薄く、作者の強引な考察が見られます。但し、キリスト教と従来の信仰(神仏習合形態の仏教徒神道)を民衆が併存して潜伏している点は、中園氏との意見と一致するようですがいかがでしょうか。
切支丹については、私も勉強している段階です。民衆がキリスト教徒になる過程と殉教に大変興味を持って、本を読み漁っているのですが、どっぷりと嵌りそうです。

今回の「潜伏キリシタンと関連遺産」の世界遺産登録。。。「潜伏」はどの立場の人の「潜伏」なんでしょう。
潜伏と登録されている「遺産」は、関連が薄ーいものが在るような。。。明治期に建てられた教会群など。。。隠れ時期じゃないかと思うのですが。。。最初に登録申請したときの名残ではないのでは。。。

禁教時代、キリスト教と土着信仰があったのは確かでしょうが、混在していたか、並列に信仰されていたかは土地によって違いがあり、また、混在と見るか併存と見るかは、学者によって違うような気がします。
宮崎氏は記事に書いているようにクリスチャンという立場があり、一神教の視点で見ているものだと思います。
民衆がキリシタンになる過程については、殿様がキリシタンになったから、右むけ右になった面もありますが、それまでの宗教が、自力本願~自分で比叡山などにいって修行を積まないとならないか、金を寄進してお堂を作るなどしないと浄土には行けないという考えがあり、庶民は浄土には行けないと考えていました。また、寺院は荘園などを持ち、かなりの裕福な生活をしています。と言うより、堕落していた面があるようです。
これに対し、キリスト教では、誰でもが平等に扱われ、この面からの考察も必要かと思います。なお、浄土宗などの「南無阿弥陀仏」を唱えれば、庶民も浄土に行けるということで、なんとなく、同じような臭いががします。これが、念仏宗教が広がった原因かともおもわれます。
もちろん日本人の宗教観~自然に対する畏敬の念が根本にあり、八百万の神(便所神などもあり)に繋がる事も考える事が必要かと思います。
また、この時代は大航海時代であり、イエズス会の動向、フランシスコ会などの比較も必要だと思います。
また、他の国に対して、キリスト教がどんな立場を取っていたか、例えば、ハワイでは、教会が、ハワイの伝統的な文化を禁止しています。キリスト教は「正しい」ではなく、もっと冷静な目が必要かと思います。
潜伏キリシタンについては、長崎、天草地方ならず全国的に存在しているので、この方面の研究も遅れているのではないかと思われます。地域限定では無く、広い目で見つめることも必要かと思います。
今回の、潜伏キリシタン遺跡については、私も疑問をもっています。大体、潜伏キリシタンと隠れキリシタンの名称については学者が言い始めたことで、私としては「前期隠れキリシタン、後期隠れキリシタンがあり、後期隠れキリシタンは、前期隠れキリシタンの教えを守りながらも、教会には戻らなかった人々」と定義すればスッキリし、教会は明治に建てられようがかまわないと思うのですが・・・・
なんとなく、まとまりがつきませんが、思いつくままに。

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