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2018年4月19日 (木)

「あなたと読む恋の歌百首」~俵万智著

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あ~、良いですね。「恋の歌」。昔の貴族の方は暇なので、異性を口説くべく、恋の和歌を、日長一日作っていたとか。

「しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思うと人の問ふまで」

「千早(ちはや)ふる 神代(かみよ)もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは」

すらすら出ていますね。ちなみに、千早ふる・・・の歌は、昔、龍田川という相撲取りがいて、出世するまで女色を避け・・・・と言うのは、落語の話で、お間違いのないように。

この本、1995年~1997年まで、朝日新聞日曜版に連載されたそうですが、ウチはローカル新聞なので、読んでませんが。

単行本が1997年に刊行、文庫本が2001年に刊行。今年が2018年なので、随分前の本になります。

本屋さんをぶらついていたら、目に付いたので買ってきました。読んで見て、あ~、これもあるよね、という歌もあったので少し紹介を。

■「きみが歌うクロッカスの歌も新しき家具の一つに数えむとする」★寺山修司

さずが、寺山修司、うまいですね。「クロッカスの歌」と「家具」の取り合わせ。

■「いつかふたりになるためのひとりやがてひとりになるためのふたり」★浅井和代   

歳をとったらこの歌、よく分かります。俵万智さんは、「最後の『ふたり』という言葉にたどりついたとたん、また最初の『いつか』という言葉戻っていくような、メビウスの輪のような終わりのなさをも感じる。」と書いています。

■「美しき誤算のひとつわれのみが昂ぶりて逢い重ねしことも」★岸上大作

60年安保闘争と失恋で自死をしました。多分、知っている方は、ほとんどいないかと思います。「意思表示せまり声なきこえを背にただ掌の中にマッチ擦るのみ」。

寺山修司は「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」と歌いましたが・・・

■「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)」★栗本京子

俵万智さんが高校の先生の時、いろいろ教えた歌で、女子生徒に圧倒的に人気があった歌だそうです。明るくも、少し切なさが感じられます。「一日(ひとひ)」と「一生(ひとよ)」の言葉の使い方の絶妙さ。

■「かの時に言ひそびれたる/大切の言葉は今も/胸に残れど」★石川啄木

わたしも、40年前の「言ひそびれたる/大切の言葉」は、今も思い出すことがあります。

啄木の歌に「いたく錆びしピストルいでぬ/砂山の/砂を指もて堀りてありしに」というのがありますが、「砂山の砂を 指で掘ってたら 真っ赤に錆びたジャックナイフが出て来たよ・・・」という歌謡曲がありましたが、石原裕次郎さんの歌ですが似てますね。

■「たった今全部をすててもいいけれどあたしぼっちの女でも好き?」★渡邊志保

これ、言われたらどうします?「あたしぼっちの女」が良いですね。もっとも、私の場合は、全部をすてたら、なんにも無くなるな。

■「せつなさと寂しさの違い問うきみに口づけをせり これはせつなさ」★田中章義

なんにも言うことは、ありません。です。ね。

■「私をジャムにしたならどのような香りがたつかブラウスを脱ぐ」★河野小百合

どのような場面かは、大人のあなたなら分かりますね。分からない方はまだ子供。へんな「エロ」小説より、鮮烈なエロティシズム。「私か脱いだら、加齢臭」だな。

■「良寛が字に似る雨とも見てあればよさのひろしと云ふ仮名も書く」★与謝野晶子

少し難しい歌かな?歌の中の「よさのひろし」は、夫「与謝野鉄幹」。与謝野鉄幹とは最初不倫、のち結婚して12名の子を出産しています。この歌を作ったときは、鉄幹は亡くなっています。

与謝野晶子の歌に「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」というのがありますが、「・・・・くちびるに ふれもせず 別れた女(ひと) いまいずこ・・・」という歌謡曲があり、似てますね。小林旭さんだったかな。

たまには、「恋の歌」を読むのも良いですね。できれば、私も、もう一度という気になります。皆様も、春の恋に向かって御一読を。



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