「広辞苑」VS「『広辞苑』の罠★水野靖夫著」&その他
「広辞苑」の第七版になります。発行は、「2018年1月12日」。感想を、と思ったのですが、この厚さ。読み終わるまで今日までかかりました
以前買ったのが第三版、で、もうそろそろ買い直そうかと思い、買いました(前のはろくすっぽ使いませんでしたが、最近、古文書関係で必要なので)。
三冊分冊になったのもありましたが、値段の関係から、こちらの方をチョイスしました、が、年寄りには重い。といっても、最近スマホで安直に調べていますが、やはり辞書で調べると、調べたい字の隣に思わぬ言葉があったりして、面白く、やはり言葉は辞書で調べるのが一番。最近、学校でもタブレットを使うようですが、どうなのかな?
以前、「明解さんの謎」、「辞書になった男」、「明解物語」、「船を編む」、「裏読み・深読み・国語辞書」などを読み、辞書作りの大変さ、面白さを知り、本屋さんに行ってみると、「『広辞苑』の罠」というのが置いてあり、思わず衝動買いで、読んで見たら、なんか変。「明治維新により近代国家となった日本は、西欧諸国のみならず周辺アジア諸国とも近代的な国際関係を樹立仕ようとした。・・・・・『広辞苑』には『征韓論』『征韓論論争』に見出しは見当たらず、『征韓論政変』が載っている。・・・」
と、本の見出しを見たら、「第一章 日本と朝鮮との近代関係」、「第二章 日本とシナとの近代関係史」、「第三章 日本とロシア・ソ連との近代関係史」・・・・・と、「広辞苑」の解説を借りて、史観を書いたもの。
右があれば左があり、上があれば下がありと、私は是々非々の立場をとっておりますが、この本を読むなら、いろいろな「史観論」を書いた本を読んだ方がましだな、と思いました。なお、この本、発行日が「2013年12月10日」です。
〈おことわり〉のところを読んだら、「各項目の囲みは、『広辞苑』の最新版である第六版の見出し語とその解説である。」と書いてありますが、最新版は第七版で、本を書くなら「第七版」のを書くべきでしょう。多分、第七版が評判になっているので、売れ残り(2013年に第一版しか出ていません)の便乗発売でしょう。私みたいに、早とちりする人間がいるから。
なお、小さいことを書きますが、「『ソウル』というのは戦後の呼称である。『江戸』を『東京』と呼ぶであろうか。」と書いてありますが、「ソウル」は通称です。正確には、「ソウル特別市」。ですから、「『ソウル特別市、通称ソウル』というのは・・・」と書かないと、間違いになります。途中で、この本読むのは止めました。時間の無駄。
話変わって、昔、銀座の会社に勤務していた頃、外人さんに道を聞かれることが多く、英語は全然だめなので(九州語は薩摩語以外はペラペラに喋れます)できるだけ目をそらして歩いていました(猿と一緒ですね、出会ったら目を合わせないように)。
あの頃は「ソニービル」が世界的に有名で、聞かれるのは、「ソニービル」、「帝国ホテル」、「郵便局」。これくらいなら分かるので、むこうですよ、と教えていましたが、他の所を聞かれると言葉が全然分からないので、「あっち」。どうせ、二度と会うこともないし。
下は、明治5年の「西洋画引節用集」。「禮ノ部」は「『れ』のところになります」。「れ」のあとが「そ」になっていますが、語順は「いろは」の順。
「ウヲッチ」は「袂(たもと)時計」。「懐中時計」ではありません。これから、「袂時計」といいませう。
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