「引札」~忘れられた日本の文化
「引札」、現代の広告、チラシ、開店、売り出し用宣伝になりますが、その中でも、ハデハデなのが「正月用引札」。
「引札」は、「お客を『惹く』」、「お客を店に『引っ張ってくる札』」、「『引く』というのが『配る』ということを意味しているために配る札」、というように諸説あるようです(「明治・大正の広告メディア〈正月用引札〉が語るもの★熊谷一紗著」)、興味をもたれた方はお読みください。
「正月用引札」は目出度い絵に屋号などを記したものを、年末年始に、ご贔屓さんに一軒づつ訪問し、配布したそうです。
明治末期から使われたそうですが、「引札」は段々とポスター型に変わったりしたりし、大正期に衰退していったそうです。
「引札」は「木版」、「石版」を使い、手がかかり、たぶん印刷機の発達の影響があったかと思うのですが・・・
さて、上は来年が戌年だから、犬さんのを載せました。下は、「ここ掘れワンワン」で、小判がザクザクでいかにも目出度い。
美人の絵柄は多いですね。右は、ニワトリが描いてありますから、酉年でしょう。
と思えば、いい男もあります。
左は、「酢・醤油」屋さん。何となく祭りのような感じ。右は、果物屋さんですね。可愛い恵比寿さんと大黒さん。
今や、忘年会の時期ですが、七福神も忘年会があるんですね。気があっている同士、飲んだり、腕相撲したり、おしゃべりしたり。
左は大黒さんが一人でがんばっていますが、ブラック企業かな?
さて、右のような引札がありますが、多分、「見本」で、注文を取って、左側に店名、取り扱い物品、住所等を書き込んだのでしょう。ほかのも、裏から見ると、絵の部分は木版ですが、字の部分は多分「石版」だと思われます。
飛行機が飛んでいたり、気球が飛んでいたり、ロードレース(競輪かな?)をしたり、現代的。大正3年の図柄です。
下の「引札」をみて、あれ?と思う方は敏感な方。
「星製薬」といえば、以前流行作家だった星一(はじめ)さんのお父さんが明治43年(1910)に作った会社です。星一さん、ご存じない?失礼しました (*_ _)ゴメンナサイ 。小説は面白いので、是非、ご一読を。
さて、今のチラシ、ポスター。何となく、同じようなものばかりですが、「正月用引札」を見ていると、何となく、ホットしますね。
どこかのお店屋さん、こんなの作って見ませんか。絶対に受けますよ。製品の紹介は、裏側に印刷すれば良いだけですから。
今では全く忘れられた日本文化の一つですが、こんな文化もあったということを、ご紹介。でした。
(参考・引用;「明治・大正の広告メディア<正月用引札>が語るもの★熊谷一紗著)
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