「JAL123便墜落事故」~杉江弘著
先日、「日航機123便 墜落の新事実 目撃者から真相に迫る★青山透子著」を紹介しましたが、今回はこの本に対立する、「JAL123便墜落事故★杉江弘著」です。
氏の紹介によれば、元日本航空(JAL)機長、日本エッセイストクラブ会員。ボーイング747の飛行時間は約1万4,000時間を記録し、世界で最も多く乗務したパイロットとしてボーイング社より表彰を受けたそうです。
青山氏は、「目撃者から真相に迫る」なら、杉江氏はJALの「ブラックボックス」の内容の徹底的な分析から、「『事故』か、『事件』かー陰謀説をきる!」「「青山透子『日航123便 墜落の新事実』の問題性」、また、「妄想で固められた『青山本』」とまで斬っています。
とは言っても、「行われなかった海底捜索」(これは青山氏も指摘しています)、米軍によって確認されてはずの墜落場所(19時20分)が、日本の捜索隊に発見されるまで翌日の午前中までかかり、死者が多くなったこと。4人の生存者のうちのひとり、非番で123便に乗っていて助かった、室乗務員によれば、墜落後も、「おかあさん」「はやくきて」「ようし、ぼくがんばるぞ」の声があったそうです。
また、国交省と事故調査委員会の関係、会社内部のこと、行政の問題等々が上げれています。
後半は、事故の原因を専門的立場、自分の経験から説明を加えています。
なお、JAL123便がどうすれば、事故が防げたか、「飛行シュミレーション」を使って、事故と同じ状態を作り検証していきますが、選んだ手段は「海上着水」。
二冊の本を読んでみて、どちらも納得できるところ、疑問に思うところがありますが、2冊読み比べて見てください。各々の立ち位置がよく分かります。なかなか難しい問題ではありますが・・・・
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