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2017年10月28日 (土)

The! 「三くだり半」

Img_20171028_0002

またもや台風が接近しているため、今日も少し短く。

昔から悪い癖で、受験参考書を1,2冊買って、徹底的に勉強すればいいものを、あれこれと目移りして、6,7冊買って、最初だけをチョコチョコとやって、後ろは全然手付かずの状態。

今回の古文書(こもんじょ)の勉強も1年くらいたちますが、入門書が増えるばかり。今回見つけたのが、上の本で、「三くだり半」は、大体三行半程度の短文で、しかも形式も大体決まっています。しかも、本の活字も多少大型で、私みたいな老眼、近眼、乱視にもピッタリ。

江戸時代の離縁というと、「縁切寺」、「駆け込み寺」が思い出されますが、相模国(神奈川県)鎌倉の東慶寺と上野国(群馬県)徳川満徳寺の2つしかなかったそうです。

満徳寺の離縁では、三くだり半は独特の書式で書かれたそうで、「満徳寺離縁状」といわれているそうです。

で、折角ならと、本物の「離縁状」を手に入れてしましました。


Img_20171028_0001

読めないと思いますので、書いてみると(誤りがあったら、ゴメンチャイ)。



    一札之事

一 此とめ登(と)申(もうす)女不相応(ふそうおう)ニ付
   今般離縁致候然(しか)るうへハ
   向後(今後)何方(いずかた)江(え)縁付候共此方毛
   頭(もうとう)構無之(かまえこれなく)候為後日一札如件

  文化十三年子極月十二日

                  中坂村
                      源次

     立合
       御目明利三郎殿(?)
                とめ方へ



要するに、とめという女性と結婚したが、とめさんとは、不相応なため、離婚をする。ついては、今後、誰と結婚しようが、こちらとしては一向にかまわない。後日のため一札を書いておく。

という事ですが、面白いのが、「不相応」。とめさんと結婚はしたけれど、「不相応」、つり合いが取れない、という事で、現代でいえば、「性格の不一致」、「別れたわけは何でもないが」という事で、一方的に女性が悪いのではなく、男性にも責任があると解釈ができ面白い所です。

なお、「何方江縁付共此方毛頭構無之候」については、離婚後は女性を縛ることなくという事で、江戸時代、男性優位だと言われた時、面白い表現、考え方だと思いました。

なお、時代劇などで、「三くだり半」と言いますが、上のように、「一札之事」、「離縁状之事」、「離別状之事」、「離縁一札之事」、「去状之事」、「暇状之事(いとまじょうのこと)」と書いてある事もあるそうです。

上の文書で名前の下に、「へ」の字みたいな形が見えますが、「爪印(つめいん・つめばん)」といい、爪に墨をつけ捺印したものだそうです。

なお、この文書を持って、役所に行っても、受付されませんのでご注意を。


(参考:引用・「三くだり半からはじめる古文書入門」)






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