「児島(こじま)」へ~其の二

「『児島』へ」の2回目になります。神社は写真の右手、島の中腹にあります。
地元の郷土史家によると、島原・天草の乱(寛永14~15年・1637~1638年)で荒廃した半島の神社を、松倉勝家の後、島原へ移封した高力忠房が半島内の神社を復興し、この神社を最初に修復したといわれています。
南串山町郷土史「みなみくしやま」には、「創立は不詳であるが、寛永十五年(1638)に再建され、安政四年に(1853)に現在の石祠に立替えられる。(八幡神宮像記)」とありますが、高力氏は寛永十六年(1639)に徳川家光により島原へと移封されています。死去は明暦元年十二月(1655)という事です。
なお、注意すべきは、「創立は不詳であるか、寛永十五年に再建され」というところで、では、以前に作った人がいるという事で、誰が作ったのかという事になります。
先に書いたように、栄西が弁財天を作ったのが建久元年(1190年)と庄屋日記には書いてありますが、栄西は栄治元年(1141)~健保3年(1215)没です。
昔は「弁財天」ですが、現在は「宗像神社」と言っています。神社の改名には明治の神仏分離が関係しており、各神社の古い額束、神社明細調帳などをみると、弁財天が宗像神社、四面宮が温泉神社、熊野権現が熊野神社、祇園社が水神社、八大竜宮が住吉神社等々改名をしているのが見受けられます。
さて、神社の鳥居は壊れており、近隣の方もあまりお参りしないのか荒れていました。
少しきつい階段を上がると、石祠があり、弁財天が祀られていました。
先に書いたように、栄西が弁財天を作ったのが建久元年(1190年)と庄屋日記には書いてありますが、栄西は栄治元年(1141)~健保3年(1215)没です。
昔は「弁財天」ですが、現在は「宗像神社」と言っています。神社の改名には明治の神仏分離が関係しており、各神社の古い額束、神社明細調帳などをみると、弁財天が宗像神社、四面宮が温泉神社、熊野権現が熊野神社、祇園社が水神社、八大竜宮が住吉神社等々改名をしているのが見受けられます。
さて、神社の鳥居は壊れており、近隣の方もあまりお参りしないのか荒れていました。
少しきつい階段を上がると、石祠があり、弁財天が祀られていました。


弁財天につきものの、琵琶(木製)がありましたが、ギターでいうところのペグとかフレットもないので、飾り物だとわかります。もっとも、この厚さの裏板では音は響かないでしょうが・・・

左が、南串山在住の願主でしょう。右が石工さんで安政七年と、石工 天草下浦船場 石工 要平 同 松太郎の字が読めます。天草との交流が分かります。


こちらは「領南串山村」ですが、「島原領南串山村」でしょう。右の方はよく読めません。


灯篭を寄進したした方でしょう。右は「肥前国高来」と読めますから次は「郡」とくると思うのですが、良く見えません。


こちらは、灯篭ですが「貞享丁四天(天は年の事・1687年)」。

こちらには「文化四丁卯」(1807)。こうしてみると、年代がバラバラみたいですが鳥居が崩れたりしているところを見ると、何回か改築をしたことがうかがえます。

さて、この神社に関しては、「島原半島史(林銑吉著)」に2か所ばかり書いてある所があり、
一つは、「寺社領寄附状並祝詞」。旧島原藩士松村幹二氏の所有であり、郡部又は別領(飛び地領)豊前豊後の神社仏閣に忠房(松平忠房)公が寄附したものを漏れなく記載したものだそうですが。
△寄附 肥前国南高来郡南串山町京泊辨財天社領之事 高貮石貮斗五升(境内林共目録在別紙) 書奥右同断 天和三年(1683)四月廿一日 主殿頭(島原藩主松平公の事)
もう一つが、「島原大概様子書」(島原領内の田、畑の面積、人数、鉄砲の数、などが書いてあり、いわば国勢調査のようなもの)に
△同(寄付の事)貮石二斗五升 京泊崎兒島 辨財天此反別三反歩 兒島廻り百八間高拾六間京泊名浦より海路八町
とあります。さて、この人も住まない小さな小島ですが、なぜこの神社に島原領主が寄進をしたのかは、全くの謎です。
あと二点ばかり疑問があり。①栄西が本当に来たのか。②菩提樹は植えられたか。ですが、また、気が向いたらというより調べるのに難しい所があるので、またいつかネ。
年代が、ズレているようなところがありますが、書いてあるものによって多少違いがあるためです。
« 身辺話題三つほど | トップページ | 「選挙だ『週刊ポスト』だ『週刊現代』だ」 »
「史跡」カテゴリの記事
- 島原ぶらり~ひな祭りなど(2023.02.23)
- 島原城築城400年~島原市(2022.12.01)
- 空照上人、雲仙の事について★まとめ②~終わり(2022.09.09)
- 空照上人、雲仙の事について★まとめ➀(2022.09.04)
- 雲仙大黒天~「発見」について異議あり(2022.07.14)
コメント