2001年宇宙の旅~「映画の見方がわかる本★町田智浩著」より
懐かしき、「2001年宇宙の旅」ですね。難解だとも言われましたが、映画の出だしの、「ツァラトゥストラはかく語りき」、宇宙船が浮かぶ場面での、「美しく青きドナウ」のワルツ。すべてが意表を突く表現でした。
「2001年の旅」シリーズの本、多分これが全部だったと思います。これをそろえたのは下の、「映画の見方がわかる本」を読んだからですが。
例えば、「地獄の黙示録」。某評論家が、T・S・エリオット、フレイザーなど劇中で引用された文献を使って評論したそうですが、「前提となる事実が抜けています。実は、それらの引用は、カーツ大佐役のマーロン・ブランドが肥満でアクションもできなければ、セリフも覚えていなかったため、仕方がなくカンペに書いて朗読させた苦肉の策に過ぎなかったのです。そんなことを真剣に論じてどれだけの意味があるのでしょう?」など書いてありますが、決してネタバレものではなく、映画の内幕を語りながら、映画の観かたを考えさせる本です。
「2001年宇宙の旅」は、監督のキューブリックが書いたシナリオがあり、次に脚本に協力したアーサー・C・クラークによる小説版、「2001年宇宙の旅」があり、3番目にクラークによる「失われた宇宙の旅2001」があり、4番目に「プレイボーイ」68年9月号のインタビューがあり、最後に、ジェローム・アジェールによる、「『メイキング・オブ・2001年宇宙の旅』(ソニー・マガジンズ)は訳が拙く意味不明だ。しかし、あちらこちらに貴重な証言が埋もれている。」があるそうです。
「2001年宇宙の旅」は映画に沿ったもの。
「失われた宇宙の旅2001」の第1部では、「キューブリックとわたし」という事で、映画を作る上でのノンフィクションも交えながら、物語が進んでいきます。
「モノリス」について、「はじめはこの異星物体は四角い四面体だった。立体図形のうちでいちばん単純かつ基本的なもので、四つの正三角形から成り立っている。」という事で、初めは映画で見るモノリスとは違っていたことがわかると思います。とても興味深いことも書いてあります。
なお、この「失われた宇宙の旅2001」の前書きで、アーサー・C・クラークはこう書いています。「小説『2001年宇宙の旅』は、1968年7月に出版されたが、それはいまのような文章から書きだされていた(注:「2001年宇宙の旅」の前書きは、「いま生きている人間ひとりひとりの背後には、30人の幽霊が立っている。それが生者の死者に対する割合である。時のあけぼの以来、およそ一千億の人間が地球上に足跡を残した。」)。しかし、その4年まえ、第一稿はこんな風にはじまった・・・・・」
出だしは、「二十世紀の初め十年と終わりの十年とのあいだには、人間のあらゆる無鉄砲な空想を超える大きな裂け目が開いている。・・・・」
「2001年宇宙の旅(決定版)」ですね。これ読んでいません。実は、2か月の入院中、上の6冊を読んでみようかと思っていたのですが、持っていくのを忘れてしましました。
たしか、「2010年宇宙の旅」は映画でもあったと思います。監督はキューブリックではありませんが。たしか、前作の謎解きもあったかと思います。
「3001年終局の旅」では、本の解説によると、1000年前、宇宙船のコンピューター「HAL」によって宇宙船から放り出された、船長代理フランク・ブルーが海王星軌道付近で発見され、「地球の軌道都市スター・シティで蘇生されたプールがたどる究極にして最後の宇宙の旅とは・・・・」という事で、これで完結編になるそうです。
最も、アーサー・C・クラークさん2008年に亡くなっていますから、これ以上書けないわけですが・・・・
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