「本を読む」★「異端審問」~安野光雅著
少し前だったか、たまたま大きな本屋さんへ行ったら、本があまりに多く、船酔いならぬ本酔いをしてしまいました。あんな沢山の本から、自分の気に入った本を選ぶのが困難なので、最近は書評とか、本について書いた本を読んで、本を選ぶようにはしているのですが・・・・
たまたま、安野光雅さんの、「本を読む」という本を見つけ読んでみたら、なかなか面白く。
・映画で「あの馬鹿が本当に、撃ってしまった」★ピアス「悪魔の辞典」
・腎臓結石などの石は鉱物学的にみて何なのか★森鴎外「椋鳥通信」
・わたしは博士の学位を頂きたくないのであります★「漱石書簡集」
・立ててある本のあひだから匂い菫の押し花が出てきた★中勘助「自画像」
など興味のある題が並んでいて、その中に、安野光雅氏の「異端審問」という本が取り上げられていて・・・
成り立ちは記者の森啓次郎氏と安野氏が中華料理を食べている時、安野氏が子どものようなキラキラした目で、「下剤と下痢止めを一緒に飲むとどうなるかね・・・」とたずねたそうですが、森氏、「おもしろい、調べてみましょう」。続いて安野氏、「藪っていう名前の医者は何人いるだろうか」。
ということで、「安野さんが自由に疑問をだして、ぼくが必死に答える。そんな連載をいつかやりましょうよ」ということで、吉田忠正氏・佐藤斎氏の優秀なデーターマンを得て、安野氏の質問に答えていったそうです。
■下剤と下痢止めをいっしょに飲むとどうなるか
虎の門病院消化器系内科の山田先生と大正製薬の企画部の話では、大体同意見で・・・
で、市販の下剤と下痢止めを一緒にのんでみた。その結果は・・・。
あとは、読んでください、ただし良い子も、悪い子も真似をしないように。私は責任はとりません。
■タヌキのきんたまは何畳敷きか。
タンタンタヌキのきんたまは、風に吹かれてブラブラ。という歌があります。タヌキのきんたま8畳敷ということばもありますが、実際は0.0002畳敷だったそうです。これじゃ、風に吹かれても、ブラブラしませんね。
横浜市金沢自然公園の堀浩・分園長が答えていますが、これがなんと、きんたまではなく、本物の「金」と関係があるとか。あとは本をお読みください。なるほどでした。
■日本歯科医師会の会長には虫歯があるか
山崎数男会長にズバリ、インタビューしたところ。「あっはっは、ほとんど虫歯ですよ。・・・・・」
その他、「雀の涙は何グラム」、「アリは乾電池で感電死するだろうか」、「一升マスには米粒が何粒入るのだろう」、「自分の家の前に、さい銭箱をおいてお金を集めてよいか」等々、真面目な質問、変わった質問が並んでおりますので、梅雨時にでも好きな所からお読みください。
「異端審問」は、かなり古い本で、最近の状況とは合わないところがありますが、ご了承のほどを。
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