前立腺ガン放射線治療日記 4
さて、今回は実際に治療を受けた様子。これから、治療を受けられる方に、注意する事など書きたいと思いますが、あくまで、私は治療を受けた立場で、お医者さんではないので、素人の感想、また、病院によっては治療機器が違うので、そのつもりで、お読みください。
下のグラフは、私が入院した病院のがん患者の登録者数で、左が男性、右が女性。
男性は見ればお分かりのとおり、一番多いのが前立腺がん、次に大腸がん、胃がんと続き、これなければ、がん患者が大幅に少なくなるのがわかると思います。女性は、乳がん、大腸が多いですね。
前立腺がんは他のがんと違い、進行が緩やかだといわれていますが、がんはがんで転移などもあるそうですから、要注意。
さて、治療は下記のような機器に横たわり、下の台が丸い部分の中に入り、この丸い部分が回り、私の場合は7方向から放射線を当てるわけですが、回りながら7回ほど止まり、いろいろ音がしていましたから、放射線が出てくる部分は一カ所かと思います。
下の図は着衣していますが、実際はお腹から膝あたりまでは脱ぎます、下の方には先日書いたように、体の型どりをしていますから、それに合わせて横になります。
それと同時に、おなかの方も型どりをしています。プラステックを熱で柔らかくして、それを腹部にあて型を作ります。オヘソの下あたりから、ヒザの上あたりまで、もちろんあの部分も型が取られます。冷えればきれいに型ができます。少し熱かったな。
で、胸部から膝の上あたりまでスッポンポンになり、下の型に体を合わせ、上からも型を押し当て、体が動かないように固定をし、さらに、先日書いたように、太ももの部分、オヘソの部分に印をつけていますから、多分レーザー光線を当て印に合わせると、毎回同じ姿勢になるわけです。
放射線を照射する時間は10分程度。入室して、着替えなどもして、15分程度。
で終わればいいのですが、一番上の図(あの部分はもちろん黒塗りにしました)。御覧の通り、前立腺の周りには臓器がいろいろありますから、放射線がこれに影響しないようにすることが必要で、特に、膀胱と直腸。
治療時間一時間前におしっこをして、その後コップ一杯の水を飲みます。こうしておけば、膀胱の中のおしっこは、いつも一定になるわけですが、おしっこが近い方、頻尿の方は一時間も待っているのは辛いらしく、治療が終わったとたん脱兎のごとく、トイレに駆け込む方もいるとか。なお、自分ではオシッコがたまっていると感じても、全然の方もおられるという事で、また、水の飲みなおしになります。
もう一つ、直腸の問題があり、この部分に便などが溜まっていると、直腸が膨れ放射線が当たり、影響を受けますから、空っぽにしておく必要があります。
ところがですね、私、便秘ぎみなんです。で、緩下剤(便を柔らかくするお薬)と下剤を毎日飲みましたが、それでも、「便がまだ溜まっていますね。出してきてください。歩くといいですよ」。
と言われても、歩くところは病院内しかなく、一度は病院内を歩くこと1時間半、一万歩は軽く超えました。便器にしゃがむ事5回。あの時は辛かった。これから、同じ治療を受けられる方は、腸内環境を整えてください。と言っても、病院に入ると体をあまり動かさないので、便秘になる方が多いですね。
さて、便の他に厄介なのが、「ガス」。要するに、おならが溜まることで、「ガスが溜まってますね、直腸が膨れていますので、ガス抜きをします」。何をするかというと、肛門様から管を入れガスを抜くわけですが、これは、大腸の内視鏡の検査、前立腺の検査で肛門様から指を入れられ、グリグリされるのよりははるかに楽で、管の大きさは、いわばトンネルの穴とストローの穴の大きさぐらいの違いですが、5日ばかり続けてガスが溜まり管を入れられましたが、5日も続けると、めげました。
上の写真の左側、おいしそうなビール。ではなく、私のオシッコです。この日は、面白いテレビをやっいて、おしっこを我慢していたら、いつもの倍出ました。
これ、おしっこを出すたび容器に取り、機械に入れると、分量、比重などが記録されますが、便が固まらないように、いつもより多く水を飲んでいたので、毎日十数回、おしっこのたび測りましたが面倒でした。
なお、尿道、肛門あたりにも影響が出てくることがあり(個人差あり)、私の場合は、37回の放射線照射のうち35回目あたりから影響が出始め、現在も多少、軽い痛みが残っています。
写真右が、肛門付近の炎症等を和らげる薬ですが、肛門の近くに少し塗り、あと、先のほうを肛門に入れ、薬を中に入れますが、これが見えないので、やりにくい、やりにくい。あと、薬が肛門付近にベッタリくっついているので、現在も、紙パンツをはいています。
浮気をしようと思っても、「ズボンを脱いだら、紙パンツ」というのは、話にもならないので、我慢しているところです。
なお、放射線の影響は忘れたころに出てくる(腸炎等)事があるそうですから、数年間は要注意になります。
ということで、前立腺がんにはご注意を。
イラストは、適当なのがなかったので、病院での説明時のものを使いました。
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