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2017年2月 3日 (金)

「ク・イ・ズ」の答



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1月18日のブログで、上の言葉の解釈は何だろう、という事を書きましたが、「ゆう」さんから、次のような回答を頂きました。要点だけを引用すると


おばあちゃんに聞いたところ、

人は大きく
己は小さく
腹を立てずに
心は丸く
気は長く

で… 最後の仲だけがわかりませんでした


という事で、さすが、おばあちゃん。意味が良く分かりますね。「仲」の所が残念ながら、なかなか(おやじギャグ)分かりませんが・・・・

さて、これをヒントに調べると、色々バリエーションがあるらしく、「気は長く、心は丸く、腹立たてずに、命長かれ(命は長めに書かれています)」、「気は長く 心は丸く 腹は立てず 商売繁盛」、「人己腹氣」等々、ネットで検索すると出るかと思います。

次に、これを作ったのが誰か?ですが、達磨太子説、尾関宗園説(大徳寺大仙院の閑栖・「閑栖は臨黄ネットによれば、読み方は、かんせい、意味は、隠居した禅僧の事」)、新井石禅説(曹洞宗・總持寺独住5世、第11代管長)等あります。

ここで、いつもお世話になっている、「国立国会図書館レファレンス共同データーベース」を見ると、埼玉県立久喜図書館に次のような質問がありました。

「『気心腹口命(上の写真を参考にすれば、気は長く 心は丸く 腹立てず 口慎めば(口は小さく書くのでしょう)命長かれ』という詩句を最初に言ったのは誰か、類似のものはあるか」というものです。

これに対して図書館より、数冊の本の紹介がしてありましたが、結論として、
「最初に言った人物は分からなかったが、以下の資料に詩句の記述、類似の詩句の記述があり、これを提供した」という事で、読んでいくと、井伊直弼の短歌として

「東都茶会記 Ⅰ 明治四十五~大正三年 近代茶会資料集成」(高橋箒庵著 熊倉功夫校注)の中に

「井伊直弼の短歌『気は長く心は丸(まる)く 腹たゝす 勤(つとめ)はきつく言(こと)はのこして』あり。この短歌は『又最も面白きは気の字を長く書き、心の字を丸く書き、腹の字を横に書き、勤の字を正しく書き、言の最後の一画だけを書き残して左の如き歌あり』とあり」とあります。

ですから、井伊直弼の時代には「気は長く 心は丸く」という言葉はすでに存在していたことが分かります。

こうして読んでいくと、「心は丸く 気は長く(又は、気は長く 心は丸く)」は共通して使われ、その後に色々なバリエーションが作られたと思われます。

一昨年だったか、「ひとつの言葉」について書きましたが、あの詩句も結局は作者は分からず、様々なバリエーションがありましたが、この詩句も作者は不明で、様々なバリエーションが出てきたものだと思われます。

でも、「仲」が何なのか?多分、この看板を書いた方のアイディアでしょうが、気になるな。

「ゆう」さんと、おばあちゃん。ありがとうございました m(_ _)m



 


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