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2017年2月 4日 (土)

「吾輩のそれから」~芳川泰久著&「夫のちんぽが入らない」~こだま著

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以前書いたように、この寒い時期が私の読書週間なので、2冊ばかりご紹介を。

「吾輩」といえば「猫」。
最近、ペットブームが犬から猫に変わってきているみたいですが。

「吾輩は猫である」の猫はビールを飲み、水甕に入って溺れ、「吾輩は死ぬ、死んでこの太平を得る。太平は死ななければ得られぬ。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。ありがたい、ありがたい。」と死んだはずなのですが、「吾輩のそれから」というと死んだ後のことになります。

この猫さんは、いわゆる「魂魄この世にとどまりて」と、誰かに恨みを晴らそうというのではなく、自身の言葉によれば、「三途の川の前に死後の魂がしばし留まるという中有(ちゅうう)界なるものなるだろうか」と、云わば、魂がまだこの世にフラフラしている状態。

その間、現実の世界を見たり、走馬灯のごとく、自身が覚えていない過去のこと、某氏から知らない間に探偵の真似をさせられたり、という事を次々に知っていきます。

将来のことも見えるらしく、「主人の学校でも見学してみるか」と行ってみると、夏目漱石について調べている学生がおり、「一冊の表紙に『吾輩は猫である』とある。」とか、「さらに男子がページを開くと、伊藤整とある。」とかありますが、「男子はポケットから四角い手鏡を出して、自らにではなくページに翳す。そこでしばしとどめると、何やら鏡面に触れた。カシャという音がする」というと、スマホかタブレットでしょう。江藤淳、前田愛、荒正人等の名前も見え、これには少し笑いました。

さて、この猫さん、ビールを飲んで、死んだのは自己責任ではなく、「殺されていた」というより、不幸が重なり死に至ったのですが、最後の方に、猫が死に至った経過が、二転三転。なんと、主人の苦沙弥先生まで絡んでいたとは。という事で、「吾輩は猫である」がお好きな方は、ご一読を。



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「夫のちんぽが入らない」。題名が衝撃的なためか、売れているようです。私も興味心で買いましたが、Amazonのカスタマーレビューを読むと、かなり手厳しい批評もあるようです。

主人公は内向的な田舎の少
女。無理して大学に入り、安下宿に入り、同じ下宿にいる一年先輩と仲良くなる。ところが、「入らない」。無理して入れると「出血」する状態。しかし、結婚をし20年。その間、どう努力しても「入らない」。

その後、夫は風俗に通うようになり、主人公は学校の先生で、学級崩壊、「入らない」事でのストレスで、ネット交際にハマるが、夫以外にはできる状態。

夫は高校教師で、生徒指導でパニック障害。主人公は「自己免疫疾患の一種」で体も動かせない状態に。と書けば、悲惨な小説みたいですが、文体、主人公の楽天的感性「とはいえ、私たちはこの状況をどこか面白がっていた。急に身体がおかしなことになってしまい、現実味がなかったのだ」的な表現。

カスタマーレビューを読むと、「入らないなら、なぜ病院に行かないか」という意見もありますが、他人とはできて、夫婦では物理的にできない。事実なのか、象徴的な表現かは分かりませんが、私は「不条理」という言葉を思い出しましたが、カフカのような不可解さ、重苦しさはなく、題名ほどスキャンダラス的なものでもなく、読みやすい小説でした。

本の最後に「あとがき」が付いていますが、途中まで活字。途中からは手書きになっていますが、読んでいくと、活字では伝えられない思いがあったことを感じさせられました。




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