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2017年2月27日 (月)

「いそっぷ詩(うた)」★谷川俊太郎詩集★絵・広瀬弦

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「騎士団長殺し」、今日、愛野のTSUTAYAさんに行ったら、第1巻が4冊残って、第2巻はまだ全然売れていません。

私の方は、やっと第1巻を読み終え、第2巻にかかるところですが、物語の主題が3、4ばかり出てきて、これがどう絡みあっていくか面白いところです。

さて、「イソップ詩(うた)」。「谷川俊太郎詩集」であって、「谷川俊太郎訳」ではありません。

原本は「岩波文庫・中務哲郎(なかつかさてつお)訳『イソップ物語』」ですが、「少しひねって、小さい子どもたちにも楽しんでもらえるように、原文を行分けにして詩のような形でかいてみました。」(「あとがき」より)という詩集です。

イソップ物語というと、話は面白いものの、「・・・天罰は免れぬ、ということをこの話は解き明かしている。」とか、「・・・この話は教えてくれる。」など、書いてあり、教訓めいていて、なんとなく敬遠していたのですが、改めて目次を読んでみると、「ロマンス・グレーと二人の愛人」、「できないことを約束する男」、「内臓を吐く子供」、「野菜に水をやる庭師」、「恋するライオン」、「一緒に旅をする人間とライオン」、「宴会に招かれた犬」、「狼と犬の和解」、「波を数える男」、「赤面の起源」、「男と悪妻」なんていうのもありますね。中はまだ読んでいませんが、興味をひく題が多いですね。

谷川さんの内容は、あとがき通り「少しひねって」あります。少しばかり紹介すると「きたかぜと たいよう」はご存じだと思いますが、最後は太陽が勝ちますが、その後に四行ばかり付け加えてあり

「わたしのかちだ」と たいようはいった
「どうかな」と きたかぜがいった
みるとたびびとは しんでいた
ミイラのようにひからびて

「くじゃくとつる」。イソップでは、くじゃくは美しい姿を誇り、つるは飛べることを誇ります。あと教訓があって、終わりですが、谷川俊太郎さんの方は、つるが大空に舞い上がりますが、最後の一行

かりうどがねらっているのも しらないで

あと、誰でもご存じの「うさぎとかめ」。原作の「兎と亀」を基にしていますが、谷川俊太郎さんの「うさぎとかめ」の方が、牧歌的でいいですね。どんな詩かというと、本を買って読んでください。実に良い詩です。

「かにのおやこ」。最後の三行は谷川俊太郎さんが付け加えたものですが、思わず笑っちゃいました。まるで、落語のオチ。

なお、広瀬弦さんの絵も素晴らしく、孫へ送ろうと思っています。とにかく、良い詩集です。




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