「千々石 温泉神社鳥居『貫』改修之事」~千々石町温泉神社
昨年、5月16日。温泉神社鳥居の「貫」が破損し、上のような状態でした。
すぐに改修するのかと思ったら、秋祭りを過ぎ、正月を過ぎても改修されず、状況を聞いたら、日本には適当な石が無く、外国に発注をしているとか。ウチの墓も作るとき、同様なことで、外国産の石を使いましたが・・・
で、やっと今日になって改修がされました。昨日、通りがかったら足場が組んであったので、今日行ってみたらちょうど作業中。
よく見るとわかりますが、私、「貫」の部分は一本棒で柱に差し込んであると思ったら、真ん中の部分と、左右の出た部分、三ケ所からできているんですね。
技術的な問題があるのかと考えてみたら、この「貫」の部分、真ん中のところに「額束」(〇〇神社と書いてある額)を載せるので、重みがかかり、かなりの負担がかかります。割り箸の両端を持って、折ると真ん中から折れていきます。
「貫」が一本棒だったら、一番上の写真を参考に見るとわかると思いますが、鳥居本体にも影響があることが分かります。
「貫」の部分が三つの部分に分かれていると、真ん中だけが破損するだけですみます。
というのは自論ですが、「鳥居における力学の研究」という本がないところをみると、私が、本邦初の「鳥居の力学」を考えた人物だと思うのですが・・・・・
実際、いろいろ鳥居を見ていくと、貫の真ん中の部分だけが、新しいものに変えてあり、左右の出たところは古いという鳥居が多く見受けられ、突拍子もない考えではないと思うのですが・・・
さて、現在はクレーン車などあり、便利ですね。右は橘神社の大鳥居を作って写真ですが、重機もない時代、どうしてあの重い石を引っ張り上げたんでしょう。
クレーンで、「貫」の中央部分を上げ、片方を入れ、その後反対側を入れますが、「貫」の端の部分と、中央部分には多少の余裕がないと入らないということになります。
意外と手こずったのが、額束。左が以前の損壊した額束。右が新しい額束。大きさがわかると思います。軽い石もあるそうですが、お値段が高いそうで・・・
額束は斜めになっていますから、これがなかなかピタリこなく、2回ほどやり直し。
額束と島木の間に隙間ができ。この間に、木を差し込んで、後でモルタルで固めるとか。
帰りがけ見ると、隙間はちゃんとモルタルで充填してありました。
真ん中が新しく見えますが、この「貫」は磨くといつまでも新しく見えるので、苔などついて、早く古く見えるよう、磨かずそのまま使ったそうです。「あと10年すると、古くみえるようになる」とのことですが、それまで、こちらが・・・・
カミサンは新しいのが良い、(最近は亭主は新しいほうが良い)といいますが、鳥居は古いものが良いですね。
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初めまして🙇🙏
最初のコメントで大変失礼なのですが💦
千々石の温泉神社は、雲山の温泉神社のように「うんぜんじんじゃ」とお読みするのでしょうか?
投稿: Yuki@TubeR | 2020年6月 8日 (月) 10時31分
コメントありがとうございます。
さて、「温泉(うんぜん)」についてはかなりの説明がいるので、ザックリ書きます。
雲仙にある「温泉神社」から説明します。
温泉神社は旧名「四面宮」神仏分離令により明治2年「筑紫野国魂神社」、大正5年に「温泉(うんぜん)神社」に改名。
雲仙は明治44年「県立温泉(うんぜん)公園」として発足。昭和9年「国立公園」に指定され「県立温泉公園」の名を「雲仙公園」に統一し変更。地域名としては「温泉(うんぜん)」「雲仙」では紛らわしいので「雲仙(うんぜん)」に統一。
なお、「温泉(うんぜん)神社」の標記があるもあるが、地元では「おんせんじんじゃ」とも呼ぶ。
さて、雲仙の「温泉神社」の最初の分社として千々石町、吾妻町、有家町、諌早市に分社があり、後諌早の四面宮のみが「諌早神社」になり、他は「温泉神社」に改名。ほか、島原半島の町に、「温泉神社」ができ増えています。
千々石の温泉神社は、明治2年、これも神仏分離令により、旧島原藩により「四面宮」から「温泉神社」に改名。ただ、読み方についてはルビを振った本が見えないので不明ですが、愛野村~千々石村に到る「温泉軽便鉄道」が大正12年に開業、この読み方として「温泉」が「うんぜん」となっているものがあり、これから考えるに、ある時代までは「うんぜん」神社と読んでいたのではないかと推測されます。現在地元では「おんせんじじゃ」と呼称。
雲仙については私のブログに、”「温泉(うんぜん)」から「雲仙」へ”、とうことで三回に分け書いていますので、参考までに。
なお、未確認情報もあるので、どこかに発表する場合は、ご自分で確認して下さい。
以上、参考までに。
投稿: sugikan | 2020年6月 9日 (火) 17時12分