「超現代語訳戦国時代」~房野史典著
まあ、軽い、軽い、軽くて面白い、面白く頭に入っていく、という本です。
私が学生時代、歴史を嫌いだったのは、年号を覚えること。あんな数字覚えて、なんになるんですか。単に受験のためで、なんの意味もありません。
最近
こんな本も出ていて、毎年、高校の歴史の教科書を買って、比べている方の話では、内容が変わってきているとか。
「こんなに変わった歴史教科書」で「鎌倉幕府」について書いてありますが、私たちは、鎌倉幕府の成立は、「1192年」、語呂合わせで、「イイクニツクロウ」と覚えたじゃありませんか、ところが、最近の教科書では、「1192年」以前に幕府が成立したと読める記述になっているそうです。
「実は、鎌倉幕府の成立時期については多くの説があり、今日でも決着がついていない。
なぜなら、あるとき頼朝が鎌倉幕府の成立を宣言したなどということはなく、そもそも『鎌倉幕府』という言葉も存在しなかったからである。」らしいのですが、そんなら、苦労して時間をかけて覚えたのは、何のためだったのか、「俺の青春を返せ~!!」って言いたくなるじゃありませんか。
話を元に戻して、「超現代語訳戦国時代」は、NHKの「真田丸」を意識したものか、「序章」が「応仁の乱」。なぜ、戦国時代が始まったのか。「第一章」が「関ヶ原の戦い」。「第二章」が「真田三代」になっています。
関ヶ原の戦いのきっかけになった、「直江状」。NHKでも放映されたと思いますが。上杉家家臣、直江兼続(NHKの「天地人」の主人公、「愛」という文字をヘルメットじゃなく、兜につけていた人)が徳川家康に書いた書状ですが現代風に書いてあり、
《うちらについていろんな噂が飛び交ってて、家康さん、あなた上杉のこと疑ってるみたいですね?
謀反を起こすとか思ってるんでしょう?そんなわけねーだろう。
隣の市内でも噂なんて立つもんなんだから、大坂(注:以前は”大阪”ではなく”大坂”)と会津くらい離れていたら、「景勝しょーもない」くらいの意見も出てくるわ。
てか、そんな話、聞く耳持たないでもらえますか?(以下長いので、略します)》
というような書き方ですが、ちゃんとフォローはしてあり、「関ケ原の戦いのキッカケになったと言われているお手紙です。もちろん、もっと丁寧な言葉遣いで書かれていますよ。でも、この『直江状』、原本が残っておらず、写ししか現存していません。だから、捏造されたものなんじゃないかとか、お手紙はあったけれど加筆されているんじゃないかと、今でも意見が分かれるところです。・・・」とキチンと説明は押さえてあります。
本を読んで、NHKの「真田丸」を見ると、より深まって理解できると思います。
本の帯に「東大卒も唸った!」と書いてありますが、作者あとがきで、「東大卒のディレクターさんは『学生時代には難しかった戦国時代が、あっという間に理解できました』『学生のときに、この本に出合えていれば、もっと楽だったのに!』という、感激の言葉をくださいました。」ということで、私ももっと早く出会えていれば、歴史好きになっていたのに、と思いました。
受験生、歴史を好きでない学生さん、歴史に興味を持たれている方、必読の書です。
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