「昭和のあの頃ぼくたちは小学生だった」~かねこたかし★柴慶忠・イラスト
かねこたかしさんは昭和17年生まれ。モロ、昭和の時代を小学生として送っています。
平成27年3月、「昭和郷愁かるた」という遊戯アイテムを創り、同世代のイラストレーターの柴慶忠さんが絵札を書かれたそうです。
右のページにイラストが描かれ、左に説明、思い出等が書かれています。
左が「ちゃぶ台」、右が「割烹着」。
昔は、「ちゃぶ台」で食事をし、勉強をし、トランプ等々をし、寝るとき足をたたみ壁にたてかけ、布団を敷いたものでした。それが、今やテーブルに代わり、子供は子供部屋に入り勉強机に座り、○ロ雑誌を読むようになりました。親子の触れ合いが言われるなか、もう一度「ちゃぶ台」で一家全員囲んだらと思うのですが。お父さんが、ちゃぶ台をひっくり返す場面もなくなりました。
右は「割烹着」で、今も時々見受けられますが、こんな格好で洗濯をしていました。電気洗濯機もコインランドリーもない時代です。まして、子どもが5,6人は普通で、お父さん、舅さん、姑さん、自分の分とこの格好で洗うので、大変だったでしょう。
本に取り上げられているのが・・・
ちゃぶ台、蒸気機関車、ねんねこ半纏、火吹き竹、そば屋の出前、蚊帳、割烹着、配置薬、蚊遣り、徳用マッチ、アイスキャンディー、経木、張り板、行水、御用聞き、足踏みミシン、赤チン、金魚売り、銭湯、ままごと、火の用心、BCG、君の名は、あやとり、学校給食、五徳、蠅捕りリボン、旅芸人、DDT、オブラート、七輪、街頭テレビ、置炬燵、紙芝居、竹とんぼ、ラムネ、焚き火、姉さんかぶり、赤電話、氷冷蔵庫、めんこ、越中ふんどし、縁台将棋、お手玉、真空管ラジオ、自転車の三角乗り、バナナの叩き売り、買い物かご、手押しポンプ井戸、アルマイト弁当。
これを見て、全部知っている方は、昭和時代に立派な小学生だった方。といっても、かねこたかしさんは、昭和24年4月入学~30年卒業。平成に近い昭和の小学生だった方は、知らない事も多いかと思います。
少し、うんちく学的なところもあり、「ちゃぶ台は”丸い”とイメージが強いけど、それは漫画『サザエさん』の影響で、実際には”角ちゃぶ台”が多数だった。」と書いてありますが、私の家は丸形でした。確か、星飛雄馬の家も丸形だった記憶がかすかにあるのですが・・・
ラムネの所。「日本にラムネが初めてやって来たのは、全国清涼飲料共同組合連合会によれば、ペリーが浦賀に来航した時だそうだ。艦上で幕府の役人に振る舞ったのが最初。その時、栓を開けたポン!の音を銃声と勘違いして、役人たちは一斉に刀の柄に手をかけたというエピソードが残されている。」と、勉強になります。
徳用マッチで、「・・・花火をやろうとマッチを擦ったら、パッと出た火に孫が驚き、僕の方は、孫がマッチを知らなかったことに驚いた。」と、マッチを知らない子供たちも出てきたんですね。
ここに書いてある物は、今の子供、お父さん、お母さんもほとんど知らないと思います。ぜひ、おじいちゃん、おばあちゃん、この本を見ながら教えてほしいと思います。
なお、高齢者の方がこの本を読み、昔を思い出すこともボケ防止に良いそうで、日本回想療法学会の小林幹児会長からは、「認知症予防には、記憶の維持と消失予防が最も重要で、その意味からこのかるたは、ボケ防止に有効」とのコメントをいただいているそうです。また、臨床心理士で上智大学教授の黒川由紀子氏からも、高齢者対策としての期待の言葉をもらったそうです。
とにかく、イラストも素晴らしく、文章も面白く、一家に一冊備えてはと思う本でした。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、子供たちと一緒にこの本を囲みながら、会話をすると家庭の絆が深まると思うのですが・・・
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