「妖怪草紙~くずし字入門★アダム・カバット著」~夏は涼しくお勉強
雨が降れば天気が悪く、雨が上がれば、ム~と蒸し暑く。夏は勉強する時期ではなく、人間は「夏眠冬動(かみんとうどう)」、夏は眠っていて、冬に動き出すものだと言われた方がいましたが、まったくその通り。
で、前から書いているように、古文書研究会に入りながら、「おでんちゃん」が通う寺子屋を舞台にした「古文書はこんなに面白い」で自学自習をしているのですが、何せ暑さのため、3歩進むあいだに何を読んだかすっかり忘れるという事態。
ということで、夏向きの教材がないか探してしたら、ありました。「妖怪草紙~くずし字入門」。書いたのがなんと米国人の、アダム・カバットさん。武蔵野大学で、くずし字の授業を担当するようになったとか。悲しくも、日本人が日本語を外人さんから習う時代になりました (;ω;)
カバットさんが書くように、「本書で学習するくずし字は、江戸時代から明治初期までの草双紙の中に存在していた字体です。版本の中でも、とりわけ読みやすい字体で書かれたはずのものです。そんな草双紙のくずし字が、今になって、なぜ読めなくなってしまったのでしょうか。」と、考えればナルホドです。
中身は、簡単なものからステップアップしていきます。最初の方は、丸印の所を読みましょう
という事ですが、ちゃんと
と言うように、一字一字説明までしてあります。
(翻字 A)
かっての
どうぐ
それ(同じくの記号・ぞれ)に
ばけて
やしょくの
ていにみえ
ける
(翻字 B)
勝手(かって)の道具、それぞれに化けて、夜食の体に見へける
(夜食の体・・・「体」は「ようす」。夜食を作っているようにみえる、の意」)
と言うように分かりやすい読み方と、「場面解説」がしてあり、ざっと書くと、人間が古道具などを捨ててしまうと、その古道具が妖怪に変身するという「付喪神(つくもがみ)」の場面を書いたものです、というような感じで書かれています。
こんなに書かれると分かりやすい、とはいうものの最後の方は
と言う感じで、ここまで行きつくことができるのか、不安です。
以前、古文書講習会に行ったとき、漢字より、ひらがなの方が難しいといわれましたが、「おでんちゃん」で漢字を勉強し、「妖怪草紙」(草紙のほうが、ひらがなが多い)でひらがなを勉強すれば万全かな、とは思うのですが、この暑さ。高校時代の受験勉強を思い出しながら頑張りましょう。とは言っても、気力と体力が付いてきませんネ (^-^;
なお、同著者に、「江戸化物草紙(角川ソフィア文庫)」の本もあり、こちらは、十辺舎一九などの妖怪が扱ってあり、くずし字には関係なく、気楽に読めるので暑い夜の読み物にお薦めします。
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コメント
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この本、買うことにしました。
崩し字の読み方を習い始めて3カ月。
もう記憶力なんかないのが、よくわかりましたけど、
せめて眺めているだけでも・・・と思いまして。
教えていただき、ありがとうございます。
投稿: こはる | 2016年7月18日 (月) 17時15分
コメントありがとうございます。
私も古文書研究会に入って一年。まだ先輩方のように読めませんが、なんとか、目が慣れてきたな、という感じです。
先輩に聞いても、初めは、なにがなにやら、だったそうです。
おたがい、気楽に、飽きずに、焦らず頑張りましょう (^-^;
投稿: sugikan | 2016年7月18日 (月) 23時11分