「有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」&「「『文豪』がよくわかる本」
この間、若い娘さんと話をしておりまして、「開高健てっ知ってる」「誰、そのオジ
サン」。ごく普通の大学出身の娘さんでしたが・・・
村上春樹さんなど読んでいるのでしょうが、多分、三島由紀夫、坂口安吾、織田
作之助、伊藤左千夫、谷崎潤一郎などは、学校の授業では習って名前程度は
知っているでしょうが、本は多分読んだ事はないなと。読書離れを実感したところ
でした・・・
まあ、興味はあっても、原典を一冊買って読んで、カッタルイと思う方は、ガイドブ
ックとして上の本を読んでみてはと思います。
さて、「有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画でよむ。」の本を帯
を見て分かるように、水木しげるの絵のようですが、作者は「ドリヤス工場」。ひょ
っとしたら、「工場」と書いてあるので、水木さんのアシスタントが集まって描いた
のかと思ったら、まったく違って詳しくは、excite.ニュースに書いてあり・・・・・
紹介されているのが、「人間失格~太宰治」「山月記~中島敦」「梶井基次郎~
檸檬」等、25作品。作者が後書きで書いているように、「この漫画を読んで作品
に興味を持たれた、あるいは物足りないと思った方は是非とも原典にも触れてみ
てほしいと思います。」ということで、私も、それでいいのだ~、と思います。ポイ
ントは押さえてありますから、ガイドブックとして利用するのがベストだと思いま
す。真面目に文学を読んでいる方には、叱られるかも知れませんが・・・m(_ _)m
「『文豪』がよくわかる本は」は、50名の「文豪」について、趣味、特技、恋愛観、
経歴、代表作品の紹介等がしてあります。
が、「・・・教師時代に許嫁のいる教え子と恋愛事件を起こしたり、姪と不倫関係
になり妊娠させるなど、恋多き・・・というよりは、やや病的なところがあった。」「晩
年までに女性関係は絶えず、愛人の一人はその絶倫ぶりについて『若い人など
百人かかったって及ぶものじゃありません』と語っている。」など書いてあり、文豪
ってスゴイですね。私、「文豪」にはなれません。今じゃ週刊誌で「ゲス」って書か
れるでしょう。大体、「文豪」という言葉が死語になりつつあるようで、というより、
「文豪」といわれる人がいるのかな、と思いますが。
さて、「文豪」の紹介に、一言づつ書いてあって、これ誰でしょう
❶最初に万年筆を捨てた新しいもの好きの大作家。❷軍医としてトップに上り詰
め文人として第一級。❸才色兼美の文壇のアイドル。❹イーハトーブに生きた
「無名の詩人」。❺「さよならだけが人生だ」稀代の文豪が見た哀歓。
❶安部公房。若い人は知らないかな?❷いわずと知れた、森鷗外。子どもの名
前が、茉莉(まり)、杏奴(あんぬ)、類(るい)。「キラキラネームの元祖ともいわれ
ている」❸24歳7ヶ月で死去。はやり美人薄命ですね。ウチのカミサンは薄命で
はありません。樋口一葉。❹「イーハトーブ」と言えば、宮沢賢治。草野心平さん
達の手によって死後、有名になりました。が、「禁欲的な生活の一方で春画収集
を趣味としており、この頃、教員仲間とよく春画の鑑賞会を開いていたという。」と
も書いてあります。あくまで「という。」で本当かな?❺「さよならだけが人生だ」と
いう言葉は聞いたことがあると思いますが、これは、于武陵の「勧酒」を翻訳とい
うか意訳したもの。井伏鱒二です。
【勧 酒】
勧君金屈巵 コノサカヅキヲ受ケテクレ
満酌不須辞 ドウゾナミナミトツガシテオクレ
花発多風雨 ハナニアラシノタトヘモアルゾ
人生足別離 「サヨナラ」ダケガ人生ダ
「さよならだけが人生ならばまた来る春は何だろう・・・・」という詩を書いたのは、
確か、寺山修司だったかな。
という事で、この二冊意外と面白いので、お薦めです。
« 「肥前狛犬」を捜して・・・ | トップページ | え?「空海(弘法大師)」ってこんな人?~今昔物語より »
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 「積ん読」の効用(2022.08.19)
- 「妻が口をきいてくれません」~野原弘子著(2022.04.21)
- 「絶滅動物物語」ー地上より永久に消え去った者へのレクイエムー★作 うすくらふみ・監修 今泉忠明(ビッグコミック連載)(2021.11.16)
- 「新・餓狼伝/巻ノ五」「ゆうえんち」「白鯨」☆夢枕獏著 「クラッパー刃牙」☆板垣恵介著(2021.05.11)
- 数十年ぶりの「週刊朝日」(2020.06.30)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 島原半島に関する三冊の本(2024.05.05)
- 気まぐれ資料館~次は「草双紙」の世界(2023.01.15)
- ザッとした読書感想文なのですが(^_^)(10月~11月中旬読了)(2022.11.13)
- 落語「紀州」の原典は松浦静山「甲子夜話」?(2023.09.19)
- 「積ん読」の効用(2022.08.19)
コメント