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2016年5月31日 (火)

「坊ちゃんの時代」~関川夏央★谷口ジロー著~カラー愛蔵版について ②でおしまい


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昨日書き忘れたことですが、この本には、途中と最後に関川夏央の解説が入っています。この解説がなかなか面白く、これだけでも読む価値があります。

さて、左が最初の本、で、右がカラー愛蔵版。
もともと、谷口ジロー氏が最初から企画したわけでもないらしく、「今、こうして再びオールカラーとして、愛蔵版が刊行されることになり正直なところとても驚いている。『「坊ちゃん」の時代』がモノクロからカラーに着色されたことで、どのように物語を読まれるのかが気にかかった」。

ただ、まったく関与しなかったわけでもなく、「今回の彩色において長時間、しかも困難な着色指定にもかかわらず、根気よく着色作業に携われたスタッフの方に感謝申しあげます。」と述べています。

さて、カラーとモノクロとはどう違うか、はやりプロの目から見た感覚でしょう、「色彩のもつ情報量は大きい、当然読み方も変わってくる。ひとコマに止まる時間が長くなり、コマからコマへの移動が遅れる、モノクロの時よりも微妙な時間差が出る。その為リアルさに欠け、作りもののようになってはならないと思った。・・・・」。

夏川氏は、「・・・・映画でいうならモノクロ・スタンダードサイズのような昔のマンガのつくりかたを懐かしむ思いを抱かないでもない。1980年代は、制作の方法でも編集の役割でも読者のありかたでも、日本マンガが原風景をとどめ得た最後の時代であった。」と、懐古的に書いています。

この点、谷口氏は「もしかしたら、もう一つの『「坊ちゃん」の時代』がカラーリングによって新しく生まれたと言っても良いのかもしれない。」と述べています。
文章を書く作者と、漫画を描く作者の違いでしょう。

この「坊ちゃんの時代」シリーズは、第1巻しかカラーになってみたいですが、全巻、カラーで読んで比べてみたいのですが・・・まあ、無理でしょう。








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