2016「愛のハタあげ大会」~長崎県雲仙市愛野町
今日は、「愛のまち剣舞箏(けんぽうそう)保存会」の、ハタ揚げ大会がありまし
た。天気は良いものの少しばかり風が弱く、大物はなかなか揚がりにくい状態で
した。
長崎新聞を見ると、明日、長崎でもハタ揚げ大会があるとかで、四ヵ所に宣伝や
ら、お知らせやら。はやり、長崎人はハタ揚げが好きなんですね。前に書いたよう
に、長崎市、諫早市では江戸時代、ハタ揚げ禁止令がでたくらいです。
昔のハタ揚げの様子です。
(長崎古今集覧名勝圖繪~越中哲也・注解より)
赤○のところは、糸が絡まっているのではなく、糸の先に、硝子器(ビードロ)の
割れたのを細かく砕き、糊で糸に塗りつけ、乾かした物を糸の先に付け、お互い
に糸を切り合います。切れて飛んでいったハタは、子どもが追っかけていって取
り合います。
今日は、小中学生が自分でつくったものが多くありましたが、やはり「友情」「夢」
「希望」等の文字が目に付きますね。おじ(い)さんも昔は・・・
ハタにもいろいろあって、左が愛野の「剣舞箏(けんぽうそう)」、長崎文献社刊の
「長崎町人誌」では「剣舞争」として読みは「けんむそう」、説明では「通例の図柄
は雲月。型は上が婆羅門(ばらもん)、下は三本の剣。・・・」となっていますが、上
部の方がチト違うような。
右は、壱岐の「鬼だこ」。多分、地元では「おんだこ」かな?作った方は、平戸出
身で、現在、福岡在住の方でわざわざ愛野まで。話を聞くと、現在、少し形が違っ
てきているようで、小さい時の記憶と研究で、これが、原形ではないかと言う事で
した。
わざわざ、南島原市から「有馬無双凧保存会」の方が。写真では大きさが分かり
ませんが、ワゴンに乗せた大きさを見ると、お分かりかと思います。「鶴亀」です。
これが揚がると、ぶ~ん、という音がしますが、右の写真がハタの後に付けてい
るのもので、これが風に震えて音がします。現在は、包装用の平テープを使って
いるそうですが、昔は、馬、牛の皮を薄くなめしたものを使い、「音が違います
か?」「やっぱりちがうな」とか。昔は、子どもが生まれた時など、おめでたい時に
作って持っていったそうです。
さて、その昔、有馬晴信の居城が北有馬町(現・南島原市北有馬町)の日野江城
にあり、支城として原城(現・南島原市南有馬町・天草四郎の原城の乱の舞台)
を築きますが、ハタを使って連絡をしていたそうです。ゲナという事でした。昔から
の言い伝えだそうですが・・・
これが揚がっていくさまは雄壮で、右がブーンとなる仕掛けです。
こちらが、重ね扇になりますが、「重ね扇」は、江戸時代、島原半島の藩主「松平
(深溝・ふこうず)家」の家紋です。
空を見上げれば、
全部手作り、ハタの絵も自分で描いたもので、ここまでいくと、ハタ揚げは子ども
の遊びとは言えません。
子どもによっては、ハタを風下から揚げるのか、風上から揚げるのか知らない子
がいて、保存会の方には、伝統を繋ぐべく頑張ってほしいと思う者でありました。
なお、4月17日(雨天時は24日)に、吾妻町でも開催されるそうですから、興味
のある方はお出かけを。
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