吾妻町「岩戸神社」祭★もう一つの「岩戸神社」~長崎県雲仙市吾妻町
先日、吾妻町の熊野神社を見に行った時、宮司さんに、「吾妻町にも岩戸神社が
あるの知ってますか?」と聞かれ、「岩戸神社」といえば瑞穂町の岩戸神社がパ
ワースポットとして有名で、吾妻にもある?と思っていたら、今日が祭日とかで、
出かけてみました。
場所は、愛野町~島原へのグリーンロードを走ると、「ふるさとふれあい館」と「雲
仙フラワーズステーション」が隣りあわせにあり、山の方向に上り道があり、イヤ
というほど走ると、「種苗管理センター雲仙農場」があり、写真の左側になりま
す。マル印の所に「岩戸渓流公園」の看板があり、右に曲がって、下り坂を下りる
と、鳥居があり、道を隔てたところに、駐車場、トイレ完備がされています。
道は下の写真の感じで、昔は細い道らしかったのですが、公園化時に整備され
たという事のようだそうです。神社まで、15分程度、森林浴にはもってこいだと思
います(花粉症の方には気の毒ですが)。
調べて見ると、県(国?)で「水源の森」という事業をやったらしく、入口の鳥居横
に看板が出ておりました、神社に向かう途中、狭いながらも、野外炊飯、キャンプ
ができるようになっていました。○印が、入口と神社です。
で、途中鳥居などがありまして、明治か大正かと思ったら、なんと「文政十一戊子
年」と書いてあり、調べて見ると、「文政十一年」は「戊子」にあたります。なお、文
政十一年は、シーボルト事件が起こった年です。
改めて、文字を読んでみると、右の柱「奉建?石華表一基 三室氏子中 世話
人???」、世話人の名前は薄くて読めません。(華表は鳥居のこと)
左の柱が「文政十一年戊子年 四月吉?日」。下の方に「大宮司 錦戸参河 正
道」。
後で、吾妻町史を調べると、「熊野神社」の所に
「錦戸備前頭 藤原秀人 文政元年十月六日 帰幽」
「錦戸参河頭 藤原正道 嘉永五年八月十六日 帰幽」
「帰幽」は神道で、人が亡くなることを意味する言葉だそうですから、文政元年が
1804年、であとを藤原正道が継ぐということで、文政、天保、弘化、嘉永となり、
嘉永5年は1852年ですから、藤原正道時代の文政11年に作られた事が間違
い無い事が分かります。文政11年といえば、今から188年ほど前ですから、
この鳥居、かなり古い事が分かります。
神社の少し手前で、倒れた木の株の所で、「今年はいるかな?」と話しているの
で、尋ねて見ると、「フクロウ」がこの株の穴の中にいるとか、で、狭い裂け目にカ
メラを突っ込んで、フラッシュを使ったら、○印の所、フクロウさんが、こちらを向
いて写っていました。
「フクロウ」は、「不苦労(くろうせず)」というくらいですから、今日はこれだけでも
ご利益がありました。
神社に着くと、意外に広い空き地で、人が作った神殿は無く、崖に自然にできた
穴が神社になります。
で、右の写真ですが、左の矢印が表側、この表側から、右の方の穴へでる事が
でき、雰囲気的に、以前紹介した、赤岩神社、瑞穂の岩戸神社に似ており、修験
者の修行の場と言われておりましたから、ここも多分そうではないかと思い、穴を
くぐって「胎内くぐり」に使ったのではないかと思います。私見ですが。
こちらが入口で、いつもは鉄扉で入れません。何やら気になる、石造物。五輪塔
の一部かな?
中の写真です。普通は入って撮れませんが、「今日は良いでしょう」という事で撮
らせて頂きました。四体の石仏です。良く調べれば、年代なども彫ってあるかも知
れませんが、そこまでは言い出しきれませんでした。気の弱い私。
神事に入りましたが、石の窪みの中での祝詞は、声が良く響き、神秘的で素晴ら
しく感動しました。私たち日本人は、自然に畏敬の念を持っていたという事がよく
分かるような神事でした。
下は、明治に作られた、「神社明細調帳」の写しです。祭神が書いてありますが、
水神さまの事です。
(「長崎歴史文化博物館」所蔵)
帰りにお札を頂きましたが、これは神棚ではなく、台所とか、井戸とか水に関係
のある所に飾って置いてくださいとの事でした。
普通の神社も良いけれど、このような神社も自然に囲まれて良いですね。すがす
がしい一日でした。
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