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2016年3月17日 (木)

「おはぎ」と「ぼたもち」

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今日は春の彼岸の入りで、「毎年よ彼岸の入に寒いのは」と子規の句があります

が、この時期、い日と、暖かい日が繰り返し体にはこたえます。


今日はお寺での、「春の彼岸会」で、お寺とか墓参りで、法事を行います。私の

お寺では、講師を呼んで法座があり、佐賀県のお寺の住職さんから説法があり、

各お寺から来られる講師の話が意外と面白く、今回も聴きに行って来ました。


話の中で、「ぼたもち」と「おはぎ」の話が出て、「今日は、彼岸で『ぼたもち』を供

えてこられたでしょう。で、『ぼたもち』と『おはぎ』の違いが分かりますか?同じな

のです、春の牡丹が咲く頃だか『ぼたもち(牡丹餅)』、秋の萩の花が咲く頃だ

『おはぎ』」。


家に帰って辞書を調べると、

「ぼたもち【牡丹餅】もちごめにふつうの米をまぜてたき、軽くつぶして丸め、あ

ん・きなこなどをまぶしたもの。おはぎ。」

「おはぎ【お萩】(もと女性用語)⇒ぼたもち」


全国和菓子協会の「和菓子を知る」に「おはぎ」の事が載せてあり・・・

「粒餡の小豆が点々と散っている様子が、小さな萩の花が咲き乱れる様子に似

ていることから『萩の餅』『萩の花』と呼ばれていたものを、(中世の宮中の)女官

などの言葉使いで『おはぎ』とよんだことに由来したといわれています。(略)」だと

言うことだそうです。


まぶしす物に、つぶあん、こしあん、きな粉等地域によって違い、また、由来も諸

あるようですが・・・


なお、「近世風俗志(守貞原稿)」(天保八年より三十年間かけて書き上げられた

世風俗史の基本文献)の「餅」の所に次のように書いてあります。


「(略)また牡丹餅(ぼたんもち)は、昔ははなはだ賞翫(しょうがん)せしものな

れども、今は賤しき餅にして、杉折・提重には詰めがたく、晴れなる客には出しが

たし。牡丹の形に似たるにより、牡丹餅と号けり。また萩の花粥餅(かいもち)とも

云う。堂上方には今も賞翫ある由なり、最明寺(殿)、足利義氏の許へ鶴岡社参

のついでに立ち寄らせたまひしに、一献に打ち鮑(あわび)、二献に海老、三獻に

かひもちにてやみぬと、『徒然草』に見えた。今も片鄙にて、歴々のふるまひを牡

丹餅にて慶應(もてなす)は、昔の遺風なり。必ず古実は田舎に残れり。(略)」


とあり、この「粥餅(かいもち)」が分からず、古語辞書で「かいもちを」を調べると

「搔餅(かいもちひ)」というのがあり、「おはぎ、ぼたもち。一説に、そばがきとも。

【例】僧達宵(よひ)のつれづれに、『いざ、ーせん』と言ひけるを」〈宇治拾遺・一・

十二〉【訳】僧達が世の退屈さに、『さあ、ぼたもちを作ろう』と言ったのを。」と

り、「粥餅」といえば、おかゆに餅を入れたもので、「搔餅」が正しいと思ったの

あります。これから読むと、「ぼたもち」、「おはぎ」、かなり昔からあったのです

ね。


横道にそれますが、「近世風俗志」の「餅」の所に、落語に出てくる「幾世餅(落語

では幾代餅)」のことが書いてあり、「三田鶴屋(脱文)」として、「幾世餅。余が聞

きし所は、吉原の娼幾世と云ふ者、花街を辞して後、初めてこれを売りし故に名

とすなり。いずれか是なるを知らず。(略)」とあります。落語の話、本当なのか

な?もっとも「今世も両国と神田見附内とにあり。二戸ともにはなはだ粗制なり。

『世事談』に美味と伝へる古美、今麁なるか。(略)」ともあるのですが・・・あと、幾

世餅については、別の話も書いてはありますが。


今日は、彼岸会でお話しを聞いたためか、仏さまのお導きで「おはぎ」と「ぼたもち」

の勉強ができました。ありがたく・・・・合掌。




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