「鼻ほじり論序説」~ローランド・フリケット著・難波道明訳
著者は1934年、米国ペンシルバニア州ピッツバーグ生まれ。グリーンボール高
校在学中にハンカチ賞をうけたことがきっかけで、早くから鼻科学に関心を持ち、
聖繊毛大学で医学を学んだ後、本格的に鼻ほじり学を研究するためにロスアン
ゼルスに移る。その成果である「毛包と痰」は、それまで注目されることのなかっ
た鼻毛が初めて鼻科学研究における最重要事項となるきっかけとなる・・・(著者
紹介より)
本書は、「鼻ほじりの歴史」「鼻ほじりとはなにか-あなたの質問にお答えします」
「鼻ほじりのテクニック-さらなる高みを目指して」「鼻ほじりの悩み相談」「鼻ほじ
りの豆知識」「ノストリルダムスの大予言-星が語る未来」「絵画表現に見る鼻ほ
じり」「詩や歌の中の鼻ほじり」「用語集」よりなりたちます。
なお、「鼻ほじり」については、紀元前4075年頃には、古代エジプト人の文化に
鼻ほじりが深く根づき、イギリスのジョン王が著名したマグナカルタ(大憲章)にも
貴族の権利として、鼻ほじりを保障し、庶民にはこの権利が認められなかったそ
うです。
と書けば、本当のようですが、これは全部真っ赤なウソ。と言うより、この本一冊
全部、冗談というか、ジョークというか、「鼻ほじり」について、実に、真面目に、ユ
ーモアあふれて書かれています。
外人さんは、この手のものが好きなのか、数十年前、「出世しない秘訣」とか「ダ
ブルボギーゴルファーへの道」という本がありましたが、あの本も実に真面目に
書いてありました。「出世しない秘訣」を読んで、実践したら、本当に出世しません
でしたが・・・・
話が横道に入って、最近「イグノーベル賞」というのが知られるようになって、
「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対し与えられる賞ですが、受賞
した研究として。「ジッパーに挟まれた●ニスの緊急処理」「ピカソとモネの絵画を
見分けられるようハトを訓練し、成功したことに対して(渡辺茂・坂本淳子・脇田真
清★慶應義塾大学)」「ビスケットを食べる前に紅茶などに浸す最適な方法の計
算に対して」「妻が夫の下着に用いると不貞行為を検出できるスプレー、『S・チェ
ック』への情熱に対して」とかがあります。
元に戻って、「鼻ほじりのテクニック」も下図のように、実に丹念に書いてありま
す。
原題は「NOSEPICKING FOR PLEASURE」ですが、日本語題は「鼻ほじり
論序説」。訳者の難波道明氏も、良く意訳されたものだと感心します。
本の帯にも書いてありますが、「●ックスよりも愉しく、しかもリスクなし!」「人類
史上最古、最高の快楽『鼻ほじり』。その深くて豊かな愉悦の世界に貴方を誘う
本邦初の手引き書。」
たしかに、鼻くそをほじくって、丸めるのは楽しいもので、時には恍惚とするほど
大きなものがあるのですが・・・ただ、ほじくるのが過ぎると、鼻の中にキズを負う
ことがあるので、注意して下さい。
糞真面目な方にはお薦めしませんが、ユーモア、冗談、ギャグが分かる方は、お
読みください。
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