「生まれて墨ませんべい」＆「如何にせんイカせんべい」～青森県むつ市

先日、東北の詩人、シングソングライターの、伊奈かっぺい氏の事を書いていた

ら、あのブログを読んだのか、どういわけか、東北の元彼女から、上のせんぺい

が送られて来ました。

どうも、なんの意味かよく分かりませんが、ひょっとしたら、あの時の皮肉かなと

は思うのですが、女心は分かりません・・・

太宰治は根強い人気をもち、太宰に傾倒し自殺した人がいたとか、高校の国語

の先生に聞いたことがありますが・・・・包装紙の裏と、煎餅の包装の裏に「新潮

文庫のロングベストセラーの1位は太宰治の『人間失格』だ。１９６２年の初版から

現在までの発行部数は６０２万５０００部という驚異的な数字を誇る。

また、集英社文庫の『人間失格』場合、表紙を漫画『ＤＥＡＴＨ　ＮＯＴＥ（デスノー

ト）』を描いていた小畑健氏のイラストにしたら、１ヶ月半で７万５千部もの売れ行

きとなった・・・・」と、他にもいろいろ書いてありますが、これはカット。

「生まれて墨ません」は、もちろん「生まれて、すみません。」の駄洒落で、「二十

世紀旗手」のエピグラフ（副題）になります。作品については、読んでください。青

空文庫でロハで読めます。

中身は、イカスミせんぺいで、裏にも、太宰治の紹介がしてあります。

　

私事になりますが、「イカスミ」で思い出すのが、「イカスミスパゲティー」を初めて

食べた時。翌朝のウンチが真っ黒で、痔の血液が付くならピンク色ですが、これ

は、内臓からの出血か？さては、ガンでは？と思ったものの、沈着冷静な私、理

論的に考えて、あ～、これは昨日の「イカスミ」と推論し、ピッタシカンカンで、皆さ

んも「イカスミスパゲティー」を初めて食される時はご注意を。

さて、このせんぺいは、太宰治生誕１００年を記念、企画し作ったそうですが、太

宰治が生まれたのが１９０９年、生誕１００年というと、２００９年ですから、せんぺ

いが作られたのは、今から７年ほど前ですか。

キャッチコピーは「『苦悩』は、意外と満腹感で薄まります。さぁ、バリバリ食べて、

太宰的悩みをおいしく解決しましょう。」で、バリバリ食べてみましたが、なぜ、こ

れを送って来たのか、悩みましたが、「悩みをおいしく解決しましょう」までは至り

ませんでした。

一緒に入っていたのが、「如何せんイカせんべい」。

こちらは、「東北新幹線開業にともない、太宰治と新幹線の共演商品を企画。商

品の由来は乾燥さきいかをまぶした『いかせんべい』と新幹線の語呂合わせ。」

少し苦しい語呂合わせかな？

キャッチコピーが「食べるとは、生きるとは、恍惚と不安と二つわれにあり。まず

は食べてみよう」。「選ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり」は「晩年」

にある「葉」のエピグラフ。これも少し苦しい解釈かな。イカ味でおいしかったか

ら、まあ、いか。じゃなく、いいか。

　

箱と、せんぺいの包装紙の裏に「太宰治歌留多」が書いてあり、

あ　愛は言葉だ　新ハムレット

お　大人とは、裏切られた青年の姿である　津軽

せ　世間というのは、君じゃないか　人間失格

た　タンポポ花一輪の信頼　二十世紀旗手

ふ　富士には、月見草がよく似合う　富嶽百景

やはり、太宰治、うまいですね。久しぶりに２，３冊読んでみました。

太宰の随筆に「『晩年』と『女生徒』」というのがあり、「晩年」について、「『晩年』は

昭和十一年の六月に出たのであるから、それから五箇年間に、千五百冊売れた

わけである。一年に、三百冊ずつ売れた事になるようだが、すると、まず一日に

一冊ずつ売れたといってもいいわけになる。五箇年間千五百部といえば一箇月

間に十万部も売れる評判小説にくらべて、いかにも見すぼらしく貧寒の感じがす

るけれど、一日に一冊ずつ売れたというと、まんざらでもない。・・・」と書いていま

すが、こんなに根強く、多くの本が売れたことを知ったら、どんな気持ちになった

でしょう。

さて、これをなぜ送って来たかは、いまだに分からず、今夜も眠れません。昔は

歌（和歌）をもらった場合は、返歌をするのが常識なのですが、私、何を送り返し

たら良いんでしょう？