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2016年1月23日 (土)

新刊「ペコロスの母の贈り物」~岡野雄一著

Img_20160123_0003

昨年12月、「みつえおばあちゃんと僕」が発行されたばかりだったのですが、今

日、本屋さんに行ったら「ペコロスの母の贈り物」が並んでいて、以前の本を並べ

たのかなと思ったら新刊でした。


中身は、週刊朝日連載の62話に新規書き下ろし+未収録作品を加えた88話だ

そうです(注:本書の帯の説明による)。


前にも書いたように、ペコロスさんと私が一つ違い、お父さんと、お母さんも、私

の父母と2,3歳違い。生まれも育ちも長崎市。という事で、何となく共感できる

話です。


今回も、お母さんのみつえさんとペコロスさんの、現実と夢とが交錯していく物語

です。


少し違うのは、いままで、幻想として現れていた、優しい父親の事が少しばかり、

出ているところで、酒乱、ペコロスさんに暴力を振るうところも出てきますが、どう

も、かなりの葛藤があった事を思わせます。


みつえさんも、この酒乱には、かなり苦労した事が描かれています。
ウチの父親

も、暴力こそ振るいませんでしたが、酒乱で、車道の真ん中で、友人と腕相撲を

取ったりしていました。爺様も酒乱の気があり、ドブの中に寝ていたそうです。も

っとも、あの頃はそのような男性が多かったのですが・・・今は、皆さん酒を飲ん

でも上品になりましたが・・・


なお、ペコロスさんのお父さんの事を「父に会う 若き日の、土屋文明
とのやり取

り」と言う事で、本書の中で書いていますが、これは、弟さんがネットで、お父さん

の文章を見つけたとの事で、「土屋文明 岡野覚」で検索すると二つばかり読む

事が出来ます。お父さんは斎藤茂吉の「アララギ」に属していたそうです。


認知症になったみつえさんの前に現れるのは、優しいお父さんで、お母さんもそ

のように話をしていたのですが、「実はそれは、母が、自分を通して父と僕との親

子の関係をやり直させてくれていた、僕のリハビリの時間だったのです。」と書か

れており、ペコロスさんが父親と、ちゃんと向き合う姿勢を持った事が分かりま

す。次回の作品が待たれます。


もちろん今回も読みながら、笑ったり、泣いたりの一日でした。皆さんも是非、ご

読を。私も、やっと親子の繋がりが分かったところですが、少し遅すぎました。



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