「ミミズ・フライの食べ方」~トマス・ロックウェル著
さて、皆さんはミミズを食べた事がありますか?昨日、ダーウィンのミミズの事を
書きましたが、なにか、ミミズの面白い本がないかと調べているとありました。
登場人物は、ビリー、トム、アラン、ジョー。小さい時からの仲間。ひょんなことか
ら、ビリーとアランは賭をします。ミミズを食べる事が出来るかどうか?お互いに
五十ドルをかけますが、トムはビリー側に、ジョーはアラン側につきます。
条件は、毎日一匹づつ15日間食べる事。ただし、ゆでても、煮ても、フライなど
にしても、OK。ただし、ミミズを選ぶのは、アランとジョー。1日目に持って来たの
が、なんと「大ミミズ」。
トムが、ケチャップとからしをかけ、塩とコショウをふり、わざびをつけ、レモン汁を
かけ、ビリーに食べさせます。そのうち、シナモン・シュガー、チーズ、クラッカー
を入れて無事1日目の終了。
これが、15日続きますが、途中。アランとジョーは形勢が悪いとみると、いろいろ
な手段を取って、妨害作戦に出ますが、果たして15日間乗り切れるのか・・・な
お、緊急のとき、生のミミズを食べる場面が2回ほどあります。
さて、話は少し本とはそれますが、おかあさんがビリーがミミズを食べているのを
知って驚きますが、ビリーは、「母さんはウナギを食べたことがあるだろう。去年
の夏、ロングアイランドでウナギを食べたよね。こっちのほうがずっと小さいよ。ど
っちもおなじさ」
今でこそ世界中、日本食が定着していますが、この本が出版されたのが1973
年(昭和48年)。多分、この頃は日本食も良く知られてなく、寿司は寿司飯の上
に魚を載せて食べると聞いた外人さん、寿司飯の上に、丸のままの魚を載せ
た状態を想像したそうで、ウナギも、このころ、まだ気持ち悪い物として思われ
ていたのでしょう。
食の材料は各国、地方によっても違い、タランチュラ、サソリ、ツバメの巣のスー
プ等々。前にも書いたとおり、開高健氏によると、蚊のメダマのスープもあるそう
です(蝙蝠が蚊を食べて、蚊の目玉だけ消化されず、糞に混ざって排出され、そ
れを集めスープにする)。
が、私が東京に出てスーパーにいくと、イナゴの佃煮が売ってあり、これにはビッ
クリというか、カルチャーショックでした。長崎の人間は絶体に食べません。関東
の人間は残酷だと思ったのは事実です。
ミミズを食べる事については、YouTubeに画像がありますのでご覧下さい。投稿
者で、「心配していたミミズの味自体がかなりよかった。食感は劣化した輪ゴムみ
たいだけど、味は鶏肉に近かった」と書かれている方もおり、まずい、という方も
おり、これはミミズの処理をきちんとしているかどうかでしょう。ミミズの中には土
なども入っており、味が良かったという方は、きちんと処理をしています。
なお、俳句の秋の季語で、「蚯蚓(ミミズ)鳴く」というのがあり
蚯蚓鳴く六波羅密寺しんのやみ 川端茅舎
駅前の蚯蚓鳴くこと市史にあり 高山れおな
苦の娑婆に蚯蚓は泥を吐いて鳴く 深谷雄大
蚯蚓鳴く追伸に二行書きたしぬ 久行保徳
というような、しみじみとした句があります。ミミズの鳴き声はありませんが、それ
が聞こえるという、日本人の優れた感性でしょう。
最後に、この本のエピローグにこう書いてあります。
「ビリーは頭をかいた。お医者さんもしらないことって、なにかあると思う?ミミズ
にはまってやめられないなんて、ぼくが世界で最初かな?」
皆さんもミミズ料理に取り組んでは如何でしょう?ミミズが手に入らない方は、釣
具屋さんに売ってあります。ミミズのミート・スパゲティなんて、おいしそう
(参考・文引用:「ミミズ・フライの食べ方」「現代俳句協会(ネット)」、YouTube)
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