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2015年12月 4日 (金)

「キマイラ11 明王変」刊行(朝日ノベルズ)~夢枕獏著

Img_20151204_0001

「キマイラ11 明王変」。意外と早く出版されました。


考えれば、最初出版されたのが、「幼獣少年キマイラ」で1982年、今から約30

年前。


近くでいえば、「キマイラ9 玄象変」が、2010年(平成22年)。「キライマ10 鬼

骨変」が2014年(平成26年)と、4年間かかっていますが、今回の出版は、

2015年11月30日、1年です。


やはり、30年近く、しかも、あいだが空いていますから、あれ!前の筋は、どん

なんだっけ?と前のを読み返しながらだったのですが、今回は登場人物方々あ

らすじも紹介してありますから、便利です。


今回は、キマイラの歴史に関する部分が中心で、Amazonのカスタムレビューを

読めば、少し厳しい意見があるようですが、まあ、作者としては「キマイラ」の歴

史について語らなければならない、という必然性を感じていたのしょう。


キライマの歴史に関しては、インドから中国へ、そして日本への伝わりの事が明

らかになりますが、ゴータマ・シッダールタ(仏陀)も絡んできて、面白いですよ。


なお、キマイラの最終巻のタイトルは「曼荼羅変」で、次巻のタイトルが「曼荼羅

変」で終了かと思ったら、これで、終わらなく、「ぼくの内的状況によるというより

外的な状況によるものだ。」ということで、「ともあれ、今、ようやくキマイラは完

を意識して、物語が動き始めたところだ。」と、これからが完結編が始まるわけ

で、終了まであと何年かかることやら、「どうか、そこまで、僕のパトスと体力が

続く事を。」と書いていますが、私の方のパトスと体力が、続くのかな?


作者は最後に一句、「ゆく道の途切れて赤い曼珠沙華」。これ読むと、なんとな

く、「キマイラ」が途切れるんじゃないかな、という予感。





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