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2015年12月 5日 (土)

「モナドの領域」~筒井康隆著

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どういうわけか、一昨日いつもの本屋さんに行ったら、一冊片隅に並んでいたの

で買って来ました。


筒井康隆さんといえば、売れっ子の頃は、出版される本は、平積みだったのです

が・・・・


初出が「新潮」2015年10月号、この本の出版日が、2015年12月5日で、あ

ら!今日ですね。


物語は、河川敷の草むらから見つかった片腕、近くの公園で見つかった片足か

ら始まり、推理小説かなと思ったら、話は「アート・ベーカリー」というパン屋さんに

飛び、アルバイトの美術大学の学生が旅行に行くため、ヘルプを同じ大学生に

頼みますが、この学生が作ったのが、なんと、パンで作った女の片腕。


その店で、週四回朝食を食べに来る、同大学の結野教授。この教授が、パンの

ことを新聞コラムに書いたことから、評判を呼び、お客が激増。


この教授が、公園のベンチに座り、会話していた3人の主婦の名前やら、性格や

ら、家のことをピタリとあて、次には、カネをせびりに来た高校生の名前などをあ

て、学校帰りの女子高校生の名前、志望大学などもピタリとあて、次の日には噂

を聞いた人がドット集まり。マスコミまで取材に来る始末。


この辺で、ドタバタ小説になるかと思いきや、教授をカネ儲けのタネにしようと

来た人物にキズを負わせ、法定へ。


実は教授は「神」というか「神を超えるもの」に憑依されているのですが・・・・・

これからが本番で、教授は「名前は、ない」という事で、実は「結野楯夫はわしが

身体を借りている存在にすぎない」という事で、いままでのいきさつで、「GOD」

と呼ばれるようになりますが、この法定でのやり取り、神学論から、哲学論、歴史

論まで展開されます。


また、この後TVにも出演し、同様な展開になるのですが、この本は、ここの所が

心になるのですが、なかなか難しく、私も一言では書けないので、各自読ん

で、頭を痛めてください。


筒井康隆氏は以前、「誰にもわかるハイデガー」も書いており、哲学方面にも

詳しく、この本、哲学、神学の問題が、法廷、TV対論で展開されますから、読み

ごたえ、というより、噛みごたえがあります。たぶん、筒井康隆さんも、哲学論等

を含んだ小説はこれ以上書けないのでは?帯に書いてある如く、「おそらくは最

後の長編」でしょう。最後の方に、片腕と片足の種明かしが書いてありますので、

お楽しみに。




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