「沙流譚」~石ノ森章太郎著★「一勝百敗の皇帝」~板野博行著
先日は、横山光輝氏の「殷周伝説」の事を書きましたが、今日は、石ノ森章太郎
氏の事です。
昨日、古本屋さんに寄ったら、左の漫画本(上下二巻)が置いてあり、石ノ森章
太郎さんといえば、私たちの時代には、「サイボーグ009」でしたが、こんな本あ
ったけと、本の帯を見ると「項羽と劉邦」とあり、なお、「『石ノ森章太郎ふるさと記
念会館』開館記念」と書いてあったので買ってきてしまいました。石ノ森章太郎氏
は1998年、満60歳で逝去されています。
この本は、1979年4月から1984年まで、小学館の「ビッグコミックゴールド」に
連載されたそうですが、発行日が不定期で、「沙流譚」は№2から№10まで連載
され、途中2年の休刊状態があるものの、9回分を発行するのに5年間かかった
そうです。
ただ、横山光輝氏「項羽と劉邦」(潮漫画文庫版)では、全12巻、こちらの方は、
上下二巻。如何にも短すぎますが、後書き(福田淳一氏・石ノ森ファンクラブ)に
よれば、「連載時に”筆者入魂のライフワーク連作”と記されたことから、綿々と続
くこの長大な『漢書』全部をマンガ化する予定だったのかもしれない。」とありま
す。
最後の所も、「ーやがては両雄(注:項羽と劉邦)相立たずの諺通りに激突して
・・・・勝者が時代の漢を築くのだがーそれはもう読者のご存じのところであろう」
と書いてありますが、最後の所が面白い部分なのですが・・・・
といっても、やはり石ノ森章太郎氏の画だけあって
この余白の処理なんてうまいですね。ここ、普通の漫画家なら、ゴチャゴチャ描き
込むですけれど・・・
右の本は、まだ全部読んでいませんが、最初の前書きが、秦の始皇帝、項羽、
劉邦を、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に例えて、秦の始皇帝を信長、項羽
を秀吉、劉邦を家康に例えていますが、なかなか分かりやすいです。
有名な句があるそうで、
「織田がつき 羽柴がこねし 天下餅 座りしままに 喰うは徳川」
これをもじって、
「始皇帝がつき 項羽がこねし 天下餅 喰うは劉邦」
まあ、ナルホドというところ。
石ノ森章太郎氏の漫画は、項羽と劉邦について、本で読まれた方には、物足り
ない(石ノ森章太郎さんのファンの方は別として・・・・)感があると思いますが、ま
だ読んでない方には入門書として、ちょうど良いのではないかと・・・思います。
その後、各種の本を読まれたが、分かりやすいと思う次第です。
【追伸】
確か、ボクシングか何かの選手だったかな?勝負は9回負けても、最後の1戦に
勝てば、それが勝者だといった記憶があるのですが、「一勝百敗の皇帝」です
ね。就活も、婚活も100回失敗しても、最後に一勝すれば良いんです。
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