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2015年11月21日 (土)

「沙流譚」~石ノ森章太郎著★「一勝百敗の皇帝」~板野博行著

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先日は、横山光輝氏の「殷周伝説」の事を書きましたが、今日は、石ノ森章太郎

氏の事です。


昨日、古本屋さんに寄ったら、左の漫画本(上下二巻)
が置いてあり、石ノ森

太郎さんといえば、私たちの時代には、「サイボーグ009」でしたが、こんな本あ

ったけと、本の帯を見ると「項羽と劉邦」とあり、なお、「『石ノ森章太郎ふるさと記

念会館』開館記念」と書いてあったので買ってきてしまいました。石ノ森章太郎氏

は1998年、満60歳で逝去されています。


この本は、1979年4月から1984年まで、小学館の「ビッグコミックゴールド」に

連載されたそうですが、発行日が不定期で、「沙流譚」は№2から№10まで連載

され、途中2年の休刊状態があるものの、9回分を発行するのに5年間かかった

そうです。


ただ、横山光輝氏「項羽と劉邦」(潮漫画文庫版)では、全12巻、こちらの方は、

上下二巻。如何にも短すぎますが、後書き(福田淳一氏・石ノ森ファンクラブ)に

よれば、「連載時に”筆者入魂のライフワーク連作”と記されたことから、綿々と続

くこの長大な『漢書』全部をマンガ化する予定だったのかもしれない。」とありま

す。


最後の所も、「ーやがては両雄(注:項羽と劉邦)相立たずの諺通りに激突して

・・・・勝者が時代の漢を築くのだがーそれはもう読者のご存じのところであろう」

と書いてありますが、最後の所が面白い部分なのですが・・・・


といっても、やはり石ノ森章太郎氏の画だけあって

Img_20151121_0003

この余白の処理なんてうまいですね。ここ、普通の漫画家なら、ゴチャゴチャ描き

込むですけれど・・・


右の本は、まだ全部読んでいませんが、最初の前書きが、秦の始皇帝、項羽、

劉邦を、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に例えて、秦の始皇帝を信長、項羽

を秀吉、劉邦を家康に例えていますが、なかなか分かりやすいです。


有名な句があるそうで、

「織田がつき 羽柴がこねし 天下餅 座りしままに 喰うは徳川」

これをもじって、

「始皇帝がつき 項羽がこねし 天下餅 喰うは劉邦」

まあ、ナルホドというところ。


石ノ森章太郎氏の漫画は、項羽と劉邦について、本で読まれた方には、物足り

ない(石ノ森章太郎さんのファンの方は別として・・・・)感があると思いますが、ま

だ読んでない方には入門書として、ちょうど良いのではないかと・・・思います。

その後、各種の本を読まれたが、分かりやすいと思う次第です。


【追伸】

確か、ボクシングか何かの選手だったかな?勝負は9回負けても、最後の1戦に

勝てば、それが勝者だといった記憶があるのですが、「一勝百敗の皇帝」です

ね。就活も、婚活も100回失敗しても、最後に一勝すれば良いんです。







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