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2015年11月 9日 (月)

「わが心のジェニファー」~浅田次郎著

Img_20151109_0002

浅田次郎さんの「プリズンホテル」には、随分泣かされましたが、今回も、最後の

数ページで泣かされました。


「Georgia on my mind(わが心のジョージア)」という唄があります。「Georgia」が

人名か州名かよく分からないらしいのですが、こちらの「Jennifer on My Mind」

「Jennifer」は女性の名前。


主人公、ラリーの両親は離婚して、まったく顔も知らず、接触も無く、祖父母に育

てられるが、祖父は「・・・前には星条旗と軍旗があるだけで、ほかの退役軍人は

みな祖父のあとから行進してきた。」・・・・「高貴な来客達もみな、敬意をこめて

『提督』と呼んだ。」と言うくらいのガチガチの海軍出身。


で、日本人には、「黄色い猿」、「油断のならないやつら」と口汚い言葉を、耳タコ

になるくらい聞かされ育つが、祖母が亡くなり、祖父は病院へ。ラリーはこの祖父

の影響を受けているのですが。少しシャイで、学校でも職場でも、これという友人

もなし。


ところが、「ジェニファー」という恋人ができるのですが、この恋人がガチガチの日

本ファン。ラリーが、プロポーズするも、「恋愛は対立する個性の方が望ましい

わ。だけど、結婚には価値観の共有が必要なの。」「プロポーズの前に、日本を

見てきてほしいの。休暇をとって、ひとりでゆっくりと」、という事で、ラリーは日本

に行く事になりますが、電話もダメ、PCもダメと、「手紙は日本のうるわしい習慣

なの。あなたの手で書いた、日本の感想が読みたいわ。わたしのご機嫌伺いは

しないでね。あなたの感じたままの日本を知りたいの。」


ラリーは日本に向かいますが、普通外人が日本の事を書いた本を読むと、西洋

人と日本人のギャップが面白いのですが、作者は、日本を知り尽くした、浅田次

郎氏で、日本を知らない外人の考えを書くわけですが、これは難しかったでしょ

う。日本人感、特徴が、なるほど、これは気がつかなかった、というところもありま

す。


ラリーは恋人に、約束通り手紙を書きます。ほんのチョッピリ
のウソも交えて(大

きなウソかな?)。ラリーはあちらこちらに行き、いろいろな人と出会い、少しずつ

成長しますが、ある少年との出会いは心にしみます。


あとこれ以上書くと、浅田次郎氏の営業妨害になりますから、止めますが、最後

の部分、多分、ジェニファーの考えもあったのかな。




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