「お父さんたちの好色広告」~唐沢俊一著
「お父さん」というと、小沢昭一さんの「小沢昭一の小沢昭一的こころ」に出てくる
「宮坂お父さん」。
働き盛りで、なんとなく哀愁漂う、かつ妻の尻に敷かれ、子どもには疎まれ、一寸
助平な「お父さん」でした。
先日、「性風俗体系・わが女神たち~広岡敬一著」をご紹介しましたが、このよう
な風俗は埋もれていく運命になりがちですが、はやり、この面にも目を向けない
と、日本人の本質、生活の歴史が分からなくなる恐れがあり、風俗関係の資料を
集めておられる方には、頭が下がる思いです。
さて、この本、1998年に出版され、2002年に文庫化されています。中身は、カ
ストリ誌に載った、「好色広告」を集めたものです。
ちなみに「カストリ誌」は、終戦直後にでた悪質な酒「カストリ」にちなみ、「二合(
二号)」で、潰れるという事からつけたそうです。
「カストリ誌」は下のような雑誌で、紙質もわるく、写真も雑なものでした。
(「エロスの原風景~松沢呉一著」より)
良く知ってる?小学生の時から読んでましたから、といっても、小学生には買え
るわけではなく、貸本屋で漫画本を読む振りをして、店主さんがトイレに立った時
に、パット行って見るわけで・・・喪服の女性が、肌も露わに、墓にまとわりついて
いる写真、まだ、覚えています・・・
さて、上の写真が載っている本「エロスの原風景」、これも、資料として面白いの
で、何れご紹介を。
当時の宣伝は、こんなので、読んでも、よく分かりませんが、そこは、お父さんの
想像力を、かきたてるところで・・・
こちらなんか、ダッ○○○○の、宣伝ですが、「寒い青森で製造された・・・体内温
度も自由に調整できる・・・」、「A型が声もでる」「B型が南極探検隊愛用」。たし
か、この手のもの、当時、必ずといって良いほど「南極探検隊愛用」の文字が入
っていましたが、内地では夏は暑苦しいだろうな。「C型は女子大生型」ですが、
最後に(人気スター山口百恵型)とあり、時代を感じます。
これ、ナンデショウ。「父の遺産」ですね?写真みたいですが、送って来たのを見
ると、ナンジャコレ、でしょう。私も、経験しましたが。
現代は、ネット見ると何でも見れますが、この頃の、妄想をかきたてる宣伝の方
が面白いですね。
「エロスの原風景」の前書きで、作者はこう書いています。「エロ本は遠からず消
えると言っていい。そんな時代だから、こんな本を出す意義もあるだろう。むしろ
使えなくなったからこそ、私にとってはこれからが楽しい。」
今日は、「少し助平なお父さん」の為に、でした。
(文・写真:「お父さんたちの好色広告~唐沢俊一著」「エロスの原風景~松沢呉
一著」より)
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