「あいの丘・秋の名月コンサート2015」山口修・純子(演奏)/小﨑侃(即興画)~愛野町・山本美術館&山頭火の事など
今年2月、この山本美術館での「Valentine's Concert」の事を書きましたが、その
折、「秋の名月コンサーをします」、と館長さんが言われたことを、覚えてはいた
のですが、例の美女から、「前売りチケット買っ~て」と言われれば、心の弱い
私、買わないわけないじゃないですか・・・
秋の名月コンサートですが、今年の中秋の名月は、国立天文台暦計算室によ
れば、9月27日、ちなみに来年は9月15日です。それより一日早い26日のコン
サートでしたが、少し雲がかかっているとはいえ、いい月でした。
ギターの山口修氏は、スペイン・ラミレス国際ギターコンクール、イタリア・アレサ
ンド国際ギターコンクールで日本人初の第1位になった方で、その他、海外のコ
ンクールで優秀な成績を収められ、現在、長崎を中心に活躍。
山口純子さんは、山口修氏の奥様で、活水の音楽科声楽専攻で、いつも一緒に
コンサートを開催されています。小崎侃氏は、山頭火、松尾あつゆき等の句を題
材として、版画家として、活躍。
山本美術館は、個人の美術館で、愛野町から千々石町に至る峠の、一番高い
所にあり、国道からは少しばかり入りますが、看板があるので分かると思いま
す。左側は喫茶ルーム「Art Saloon K」になっています。
この間のコンサートは一人で行きましたが、今回は、右の席に30歳ばかり年下
のスラリとした美女が・・・・・もっとも、まったくの見知らぬ、赤の他人ですが・・・・
なんといいますか、やはり、知らぬ方とはいえ、美女が隣りに座っているのは、
緊張するもので・・・・・
演奏はいつものとおり、お二人の息がピッタリあったもので、夫婦はやはり、かく
あるべしですね。
会場は少し手狭ですが、ギター、声楽は大ホールで聴くより、これくらいの広さが
ジャストで、目の前での演奏は、アットホームでいいですよ。
さて、今日はこの演奏中に、小﨑侃氏が即興画を書くという事で、墨一色と、色
彩のついたもの。
右手の方が小﨑侃氏。
山頭火の句を題材に
・山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆうべもよろし
・生えて伸びて咲いてゐる幸福
ところで、山頭火の事を思い出したので、山頭火のことなどを少しばかり。
山頭火といえば、深夜放送が盛んな時、永六輔さんが山頭火の事をしきりに紹
介し、山頭火ブームになった覚えがあります。
・うしろすがたのしぐれてゆくか
・分け入っても分け入っても青い山
・ますっぐな道でさみしい
・どうしようもないわたしが歩いている
・やっと咲いて白い花だった
と、書けばキリが無いので止めますが、意外と面白い句もあり
・ちんぽこもおそそも湧いてあふれる湯
・ちょいと茶店があって空瓶に活けた菊
・噛みしめる味も抜けそうな歯で
・ごろりと草に、ふんどしかわいた
ところで山頭火は、島原半島の南目(橘湾沿い)を歩いており、千々石も通った
事があり、行乞記に
二月十日
まだ、風雨がつゞいてゐるけれど出立する、途中千々石(チゞイワ:注チヂワで
す)で泊まるつもりだつたが、宿という宿で断られつゞけたので、一杯元気でこゝ
まで来た、行程五里、小浜町、永喜屋
千々岩(注:千々石の誤り)は橘中佐の出生地、海を見遥かす景勝台に銅像が
建立されている。・・・・・
橘中佐の銅像は、今の橘公園ではなく、最初は、上山という橘湾を見晴らす高
台にありましたから、文章からみたら、上山まで行ったのではと思います。
ところで、千々石で宿を断られていますが、これは昭和7年らしく、昭和5年の「行
乞道草」にも
・泊めてくれない村のしぐれを歩く
という句があり、多分、野宿などもしていますから、ヨレヨレの格好で、風体もよろ
しからず、ということで、あちらこちらで宿泊を断られたのでしょう。
しかし、千々石に泊めてくれる宿があり、一句作って貰っていたらと思うと、残念
な気がするのですが・・・
さて、山本美術館では、来年もコンサートを続けるとか。来年も期待しています。
その時は、本当に一人でなく・・・・
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