「成人式」はあっても「敬老式」は何故ないのか?
私がお世話になっているお寺の山門ですが、ボロボロになってしまい、建て替え
るとか。残念ながら、二階建てでなく、平屋になるみたいですが・・・・
昨日から、お寺の「秋の彼岸会法座」が9月20日~23日までの4日間。講師が
福岡県の某寺の副住職(住職はお父様)で、44歳。布教師として、なかなか有
名な方らしく、4年前から予約をしていたそうです。
朝座(午前9時半から)と晩座(午後8時)の一日2ステージですから、全部で8回
のお話しになりますから、大変です。
話は、ためになり、浄土真宗では、有名な「般若心経」をお経として、あげませ
ん。何故かな、と思っていたのですが、その話もあり、ナルホドでした。これは、
何れ又。
いつもは初日は一杯なのが、何故か空席が目立ち、聞いてみたら、20日に敬老
会を、各自治会でおこなっている所が多いとか。
さて、以下は某町の議会で出た発言です。「君たちは、昇る日には手を合わせる
が、沈みゆく夕日の美しさには、手を合わせないのか。それと同じで、成人式が
あって、なぜ、老人式がないのか?」。言われてみれば、ごもっともな話で・・・
日本には元服の風習がありますが、元服は有職故実(石村貞吉著。嵐義人校
訂)によれば、「元服は、男子が成人して一人前の大人になったしるしに行う儀
式で、元は首、服は着る、または被せるの義で、童子の時には被り物を被らない
のに大人になったしるしとして、頭の上に冠または烏帽子を被ることをいうもの
で・・・・天皇、皇太子、親王などは十一歳から十七歳までの間に行われ、その他
のものは五,六歳ごろから二十歳までの間に行われるのが普通であった。・・・」
これは、上流社会のことでしょうが、「近世風俗志(守貞謾稿)」には、「また、前に
も云へるごとく、古は頭を丸く剃りて周りに髪を残し、その円形に剃る故に月白
(つきしろ)と云ひ、のち月代と書く。その後ようやくに前髪を剃り除くに至り、今俗
前髪を剃るを元服と云ふ。額際を剃るを角(すみ)を入る、あるひは半元服と云
ふ。前髪剃りたるを野郎あたまと云ふ。けだし京坂にては元服天窓(てんそう)
と云ふ。江戸にて野郎あたまと云う。」とありますが・・・
現代の「成人式」は少し違っているみたいで、ウィキペディアによれば、終戦後
1946年,埼玉県北足立郡蕨(現蕨市)で、敗戦で虚脱状態の青年に希望を持た
せるため、当時の青年団長が「青年祭」を企画し、これに影響を受けた政府が、
1948年に公布・施行された祝日法により、翌年1月15日を「成人の日」として
制定した、という事だそうです。
その後、祝日改正法に伴って、2000年より成人の日は1月第2月曜日に移行し
ています。もっとも郡部では、正月、お盆にみんな帰省しますから、この時期に開
催される所が多いみたいです。しかし、成人式より、会場に同窓会の受付が並ぶ
のが見受けられますが・・・
さて、以下は私見です。
成人式に参加するのは、二十歳になった若者ですが、タバコは吸える、酒は飲
めますが、それより大事なのは選挙権があたえられるということ。
某町の成人式の担当者から、次のような話を聞いたことがあります。成人式で、
成人証書を渡しますが、これが一人一人の手渡し。時間がかかるので、代表者
に渡したら、と相談したら
「俺の顔と名前を覚えて貰わなきゃいけないだろう。」と拒否されたそうです。確
かに、成人式の参加者に、「町長の名前知ってる?」、「知らな~い」、「町長の顔
知ってる?」、「ぜんぜ~ん」、という返事が多いこと。
まして、来賓の議員さんの、名前と顔を知っている、新成人者はいないわけで、
成人式の場が名前を顔を覚えてもらう、というか売り込む場所になるわけです。
要するに、選挙の票と結びつくわけです。
ですから、選挙の票に関係無い子供、市町長の顔を知っている大人、老人に
は、「子供の日の式」とか「お父さんの日の式」とか「お母さんの日の式」とか「敬
老の日の式」は無いわけです。
というような、アホな事を考えた一日でした。シルバーウィークだから。
もっとも、高齢者の方の人数が多く、会場に入りきれないでしょうが。でも、何十
年ぶりに顔をあわせる「老人式」があったら、面白と思うのですが・・・
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