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2015年8月11日 (火)

「立秋」について~大チョンボ!

Photo

      (「国立天文台ホームページ」より)


8月9日に「立秋」ついて書いたのですが、これが、大チョンボ。下のような「コメン

ト」をいただきました。関係の所のみですが・・・




>さて、「立秋」の件ですが

>立秋とは、太陽の黄経が135度になる瞬間を含む日のことです

>今年は、8月8日です

>旧暦とは関係がありません

>テレビで こよみの上では今日から。。。です

>を聞いて 勘違いをされる方が多いようです


>「立秋」とは これから徐々に秋の気配がしてくるという意味です

>逆に言うと 今頃が一番暑い季節だということです



まったく、その通りで、ついでに少し暦の勉強でもと・・・・

実は、「七夕・旧七夕」「針供養・旧針供養」「七草・旧七草」と、旧暦と新暦があ

り、「立秋」についても同じかと思って書いたのですが、「立秋」は、「旧」も「新」に

も関係なく二四節気の一つでした。


一番上の図は地球が太陽を回っている図。真ん中の赤が太陽。太陽が地球を

回ってはいません。下図は黄道面を北から見た図です。

Photo_2

  (「国立天文台ホームページ」より)


季節が春夏秋冬とありますが、この各季節を各々6つずつに分けると、計24に

なりますから、これが24節気で、季節を把握するために使います。


春分を起点として、15度回って「清明」、15度回って
「穀雨」と、15度ずつ回

って、一年を24に分け、二四節気となるわけです。


これを、季節で見ると、このような感じになるわけです。

Photo_3

(「にっぽんの七十二侯~枻(えい)出版社刊」より)


上の図では、冬至が一番上になっていますが、起点は「春分」の0°になります。


「国立天文台」のホームページでは、「二十四節気の定め方」として「定気法」が

書いてあり、

 


太陽の視黄経を角度で24等分する方法

  ・視黄経が0°、15°、30° ・・・・・となる瞬間

  ・黄道面を(地球の北極があるほう)から見たときの地球の自転軸の向きと太    

   陽の位置関係、ともいえます。



ただ、地球は真ん丸く回るわけでもなく、楕円に回っていますから、遠心力の関

係で速度に違いがあり、また、365日ジャストで、一周するわけではなく、「立秋」

についても、その年々で、若干の違いが出て来ます。


「立秋」は四節気でいえば、太陽の視黄経が135°になるときですが、今年は

「8月8日・5時1分」でこれが「視黄経が0°、15°、30° ・・・・・となる瞬間」に

なるわけで、コメントの「立秋とは、太陽の黄経が135度になる瞬間を含む日」

ということ事になるわけです。昨年は「8月7日・23時02分」でした。


さて、「定気法」と書きましたが、これに対し「平気法(恒気法・常気法)」があり、

ざっくり書くと、一年の長さを時間で24等分する方法です。太陽の動きは無視で

す。山本健吉著「最新俳句歳時記」、 「立秋」には、次のように書いてあります。


「二十四気の一、陰暦七月の節で、大暑の後十五日、すなわち八月八日ごろに

あたる。」これが、「平気法」にあたるのでしょう。あと、暦についてはいろいろある

のですが、書けばきりが無いので・・・・



コメントの

>テレビで こよみの上では今日から。。。です

>を聞いて 勘違いをされる方が多いようです

>「立秋」とは これから徐々に秋の気配がしてくるという意味です

>逆に言うと 今頃が一番暑い季節だということです


これはどうでしょう?ウィキペディアにも同じようなことが書いてありましたが・・

「立秋」の前に「大暑」があり、これが一番暑い季節では?


有名な「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」という

和歌が、「古今和歌集・巻第4」の「秋の歌・上」の一番最初に書いてあり「詞書」

として「秋立つ日読める」とあり、「和漢朗詠集抄巻三」、「秋」の「立秋」の所にも

り、明らかに「立秋」を歌ったものですが・・・


「『立秋』とは、これから徐々
に秋の気配がしてくるという意味です/逆に言うと 

今頃が一番暑い季節だということです」ではなく、「秋が来たとは分からないが、

風の音を聞くと秋が来たと感じる」というように、「立秋」を「暑さの中にも、秋の気

配を感じる」というほうが、日本人的な感覚で、自然なのではないと思います。

「今頃が一番暑い季節」だというと、暑=夏が主になり、「立秋」の場合は、涼=

秋が主役だと思うのですが。


もっとも、歌人の感性は、我々一般人と違っているし、夏の暑さも異常季節で、変

わってしまっているので、その時分とは、季節感が変わって来ているのかも知れ

ませんが・・・


コメントをいただきありがとうございました。おかげで、少しばかり暦について、勉

強する事が出来ました。


最後に一言です。私の尊敬している方が言った言葉です。


「私、嘘は言わない、でも、間違いはある。」



(参考・図・引用:「
国立天文台ホームページ」 「七十二侯~枻出版社刊}」より

  ※各図はクリックすると、少し拡大すると思います

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