「立秋」について~大チョンボ!
(「国立天文台ホームページ」より)
8月9日に「立秋」ついて書いたのですが、これが、大チョンボ。下のような「コメン
ト」をいただきました。関係の所のみですが・・・
>さて、「立秋」の件ですが
>立秋とは、太陽の黄経が135度になる瞬間を含む日のことです
>今年は、8月8日です
>旧暦とは関係がありません
>テレビで こよみの上では今日から。。。です
>を聞いて 勘違いをされる方が多いようです
>「立秋」とは これから徐々に秋の気配がしてくるという意味です
>逆に言うと 今頃が一番暑い季節だということです
まったく、その通りで、ついでに少し暦の勉強でもと・・・・
実は、「七夕・旧七夕」「針供養・旧針供養」「七草・旧七草」と、旧暦と新暦があ
り、「立秋」についても同じかと思って書いたのですが、「立秋」は、「旧」も「新」に
も関係なく二四節気の一つでした。
一番上の図は地球が太陽を回っている図。真ん中の赤が太陽。太陽が地球を
回ってはいません。下図は黄道面を北から見た図です。
(「国立天文台ホームページ」より)
季節が春夏秋冬とありますが、この各季節を各々6つずつに分けると、計24に
なりますから、これが24節気で、季節を把握するために使います。
春分を起点として、15度回って「清明」、15度回って「穀雨」と、15度ずつ回
って、一年を24に分け、二四節気となるわけです。
これを、季節で見ると、このような感じになるわけです。
(「にっぽんの七十二侯~枻(えい)出版社刊」より)
上の図では、冬至が一番上になっていますが、起点は「春分」の0°になります。
「国立天文台」のホームページでは、「二十四節気の定め方」として「定気法」が
書いてあり、
太陽の視黄経を角度で24等分する方法
・視黄経が0°、15°、30° ・・・・・となる瞬間
・黄道面を(地球の北極があるほう)から見たときの地球の自転軸の向きと太
陽の位置関係、ともいえます。
ただ、地球は真ん丸く回るわけでもなく、楕円に回っていますから、遠心力の関
係で速度に違いがあり、また、365日ジャストで、一周するわけではなく、「立秋」
についても、その年々で、若干の違いが出て来ます。
「立秋」は四節気でいえば、太陽の視黄経が135°になるときですが、今年は
「8月8日・5時1分」でこれが「視黄経が0°、15°、30° ・・・・・となる瞬間」に
なるわけで、コメントの「立秋とは、太陽の黄経が135度になる瞬間を含む日」
ということ事になるわけです。昨年は「8月7日・23時02分」でした。
さて、「定気法」と書きましたが、これに対し「平気法(恒気法・常気法)」があり、
ざっくり書くと、一年の長さを時間で24等分する方法です。太陽の動きは無視で
す。山本健吉著「最新俳句歳時記」、 「立秋」には、次のように書いてあります。
「二十四気の一、陰暦七月の節で、大暑の後十五日、すなわち八月八日ごろに
あたる。」これが、「平気法」にあたるのでしょう。あと、暦についてはいろいろある
のですが、書けばきりが無いので・・・・
コメントの
>テレビで こよみの上では今日から。。。です
>を聞いて 勘違いをされる方が多いようです
>「立秋」とは これから徐々に秋の気配がしてくるという意味です
>逆に言うと 今頃が一番暑い季節だということです
これはどうでしょう?ウィキペディアにも同じようなことが書いてありましたが・・
「立秋」の前に「大暑」があり、これが一番暑い季節では?
有名な「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」という
和歌が、「古今和歌集・巻第4」の「秋の歌・上」の一番最初に書いてあり「詞書」
として「秋立つ日読める」とあり、「和漢朗詠集抄巻三」、「秋」の「立秋」の所にも
あり、明らかに「立秋」を歌ったものですが・・・
「『立秋』とは、これから徐々に秋の気配がしてくるという意味です/逆に言うと
今頃が一番暑い季節だということです」ではなく、「秋が来たとは分からないが、
風の音を聞くと秋が来たと感じる」というように、「立秋」を「暑さの中にも、秋の気
配を感じる」というほうが、日本人的な感覚で、自然なのではないと思います。
「今頃が一番暑い季節」だというと、暑=夏が主になり、「立秋」の場合は、涼=
秋が主役だと思うのですが。
もっとも、歌人の感性は、我々一般人と違っているし、夏の暑さも異常季節で、変
わってしまっているので、その時分とは、季節感が変わって来ているのかも知れ
ませんが・・・
コメントをいただきありがとうございました。おかげで、少しばかり暦について、勉
強する事が出来ました。
最後に一言です。私の尊敬している方が言った言葉です。
「私、嘘は言わない、でも、間違いはある。」
(参考・図・引用:「国立天文台ホームページ」 「七十二侯~枻出版社刊}」より
※各図はクリックすると、少し拡大すると思います。
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