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2015年7月 7日 (火)

「昭和天皇玉音放送」~川上和久(解説・著)

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7月に入りましたが、8月6日が広島市、8月9日は長崎の原爆の日。8月15

が終戦の日(終戦記念日の表記もあり)。


特に、終戦の日に近づくと、「玉音放送」を、皇居前とか、学校の生徒がラジオを

前に聴く場面がありますが、放送では「朕(ちん)深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状

ト・・・・」の最初の場面か、「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ビ難キヲ忍ビ・・・・」の所だけ放送

があって、考えれば全文読んだことがありませんでした。

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    (「国立公文書館デジタルライブラリー」より)


上が原文ですが・・・

見ていただきたいのが、真ん中のページ、赤丸の所。最初は、「爆彈ヲ使用シ惨

害ノ・・・」になっていますが、「使用シ」と「惨害」の間に、「テ頻ニ無辜ヲ殺傷シ」

と、挿入されており、当時、天皇陛下の詔書といえば、一字一句間違いがあっ

はならないものですが、いかに切迫した中で、急いで文章が推敲されたかが、

われます。


文章の推敲についての話は、「玉音放送の原稿=『終戦の詔書』は誰がつくった

か」の所に書いてあります。


下が、昭和20年8月14日の「官報」。号外で出ていますが、左が「詔書」、右が

「内閣国喩」。

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    (「国立国会図書館デジタルコレクション」より)


天皇陛下(昭和天皇です)では、「敵ハ新ニ残虐ナル爆彈ヲ使用・・・・」ですが、

「内閣国喩」では、「遂ニ科學史上未曾有ノ破壊力ヲ有スル新爆彈ノ用ヒラル

ニ至リ戰爭ノ仕法ヲ一變セシメ・・・・」とあり、これ原爆の事ですが、私の爺様

原爆で跡形も無くなってしまい、このあたりを読んで行くと、感慨深いものがあ

ます。


さて、実は私、このラジオ放送、「玉音放送」だけかとおもったら、そうではなく、そ

の後も「玉音放送」に関する放送があり、「玉音放送」のみでは、内容が良く分か

らなかった人も、この解説を聞いて、日本が負けたことを分かった人がいたそう

す。


本書によれば、「玉音放送」の前後として、

1、予告放送

  1945年8月14日午後9時のニュースと、15日7時21分のニュースで予告。

2、1945年8月15日のニュース放送(全6回)

  ・午前7時21分(9分間の放送)

  ・正午(37分半):「終戦を告げる放送」(「玉音放送」「内閣告喩」を含む

  ・午後3時(40分間):(40分間)「終戦を告げる放送」

  ・午後5時(20分間)

  ・午後7時(40分間):「終戦を告げる放送」「大詔を拝して」含む

  ・午後9時(18分間)

3、「玉音放送」を含む「戦後を告げる放送」の全放送内容(上の正午の放送)

  1、正午の時報

  2、NHK 和田信賢アナウンサー:「ただいまより重大なる放送があります。

    全国の聴取者の皆さま、ご起立をお願いします。」

  3、情報局総務・下村宏:「天皇陛下におかせられましては、全国民に対し、

    畏くも御自ら大詔(だいしょう)を宣(のたま)わらせ給うことになりました。

    これよりつつしみて玉音をお送り申します」

  4、「君が代」(レコード放送)

  5、「玉音放送」(レコード録音による放送)

  6,「君が代」

  7、下村宏:「つつしみて天皇陛下の玉音放送をおわります」

  (以下、和田アナウンサー)

  8、和田アナウンサーが大詔の説明

  9,和田アナウンサーによる「詔書」(注:「玉音放送」と同文)の奉読

  10,「謹んで詔書の奉読を終わります」

  11、「内閣告喩を申し上げます」

  12,内閣告喩の奉読

以下、ポツダム宣言、ソ連の参戦、「カイロ宣言」「終戦決定と午前会議の経過」

等の説明があったそうです。


この本には、最初に「玉音放送」のNHKの音源が最初に入っていますが、これは

聞きやすいものでした。


なお、上の、3、に関しては、本書では「発掘新音源を収録しています。」とあり、

3の所の12のまでは、CDに収録されていますが、YouTubeで「終戦放送」で検索

ると聴かれます。たぶん、CDもこれを使ったものだと思われます。


さて、今や戦争を経験した人も少なくなり、
(ウチの父はビルマ戦線で捕虜になり

奇跡的に生きて帰ってきましたが、生存している時に、もっと話を聞いておけばと

悔やんでいます)戦争の悲惨さを語る人が、少なくなってきました。


世界も、日本も、きな臭くなってきた時代、もう一度、この「玉音放送」を聴いてい

だきたいと思います。


注:「玉体」は天皇陛下のお体(古語辞典~小学館刊)のことですから、「玉音」は

天皇陛下のお声の事になります。念のために。


なお、この「玉音放送」のレコードのことは、「日本の一番長い日」に出ていた記

憶があるのですが、NHKでも何十年か前に特集でやっていたような・・・・



(引用・図版:「国立国会デジタルコレクション」「国立公文書館デジタルライブラリ

        ー」「昭和天皇玉音放送~川上和久(解説・著)」より)


 




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