卑怯者の島~小林よしのり著
小林よしのり氏といえば、「東大一直線」、「おぼちゃまくん」等で、超有名になり
ましたが(若い人は知らないか?)、「わしズム」、天皇の事、アイヌ問題、憲法改
正等の発言で右翼なのかな、と思って調べたら、そんな単純に割り切れる人物
ではないようで・・・
昨日、本屋で上の本を見かけ、何となく気になり読んで見たら、舞台設定は「ペ
リリュー島」。ペリリュー島といえば、今年、天皇陛下、美智子妃殿下がご訪問を
された所。二次大戦中激しい戦闘が行われ、旧日本軍が壊滅をした所でもあり
ます。
「卑怯者の島」は、この前線で戦う兵士を描いていますが、まさに「悲惨」という字
が、甘ったらしく感じられるほどの、描写がしてあります。
この間、書いたように、ウチの父もビルマに行き、上陸寸前に船が撃沈され、一
晩中海に漂っていたとか、斥候に行っている間、部隊が襲撃され、ほとんど全滅
したとか、毎日、二十㎏の荷物を背負って二十㎞行軍したとか、捕虜になった時
の話等を、私が小学校の時、話をしてくれましたが、その程度で、その後は当時
の話はほとんどしませんでした。部隊がほとんど全滅する中、奇跡的に生きて帰
れた一人です。
3年ほど前に父が亡くなりましたが、少しばかりボケが始まり、よく、死んだ戦友
が夜に来て、と話していたので、何十年たっても、心のどこかに残っているもの
があるのだな、とは思いましたが・・・
この作品、読んで、どうも整理がつかないのですが、作者は「あとがき」で、こう
述べています。
「これは反戦漫画でもないし、好戦漫画でもない。主張したいイデオロギーがあ
るわけではなく、ただ最も過酷な戦場での主人公の心理を追っていっただけであ
る。・・・・・日本の戦争映画やTVドラマは、主人公が反戦思想を持った立派な青
年で、妻や恋人とのメロドラマで泣かせることが多いので、わしとしては飽き足ら
ず、普通の青年が極限状況で卑怯と勇気の劇的な葛藤の中、戦う姿を描きたか
ったのだ。
読者がどう感じるのかは自由であり、この作品については読者の感性に任せ
る。」
よく、近代戦争はハイテクだから、と言う人がいますが、イラク戦争をみても、最
後は地上での白兵戦になり、この漫画のような状況も生まれるかと思います。
もうすぐ8月を迎えるにあたって、ご一読を。なお、小林氏の考えは氏のブログを
是非お読みください。なお、昨日でしたか、TVで「安保法案」については、反対の
発言をしていました。
小林よしのり氏ブログ→こちらをクリック
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