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2015年5月20日 (水)

「鼻紙写楽」「ランプの下」「茶箱広重」~一ノ関圭著 その一

Img_20150520_0001

この漫画、多分、漫画界の玄人筋では、最高の評価を受けるでしょう。


何となく、本屋の棚を見ていたら、並んでいて、何となく気になったのですが、本

のお値段が1,800円。しかも、ビニールでしっかりと包んであって、中が確かめ

られない。こうなると博打と一緒で、買って来ましたが、ビックリしました。とにかく

面白い。


幼女の誘拐事件のミステリーから、田沼意次、歌舞伎のこと、浮世
絵のこと、そ

れに付随する人物像。本の3分の1あたりで、大阪からやって来た、「伊三次」、

当時は「流光斎如圭」という絵師が登場しますが、これが、後の「写楽」になりま

す。


この、登場人物が絡みに、絡んでいきますが、残念ながら、427ペ-ジを費やし

ても「『鼻紙写楽』第一幕 完」で、まだ続きます。

Img_20150520_0002

絵の感じは、白土三平さんか、ケン月影さんタイプかなと思ったのですが、線が

太く力強く、今の若い方のコミック系の線とは全く違い、好き嫌いはあるでしょう

が・・・


さて、漫画読書暦五十数年になりますが、この「一ノ関圭」氏のこと、ウィキペデ

で調べたら、1950年生まれ、吾妻ひでお氏が、小畑健の絵について「幻の漫

家・一ノ関のような自在さはない」と感想を述べ、竹照健太郎氏は「美術をテー

にした漫画で納得行く漫画絵画を描けていたのは、俺の知る範囲では一ノ関

が筆頭」とまで言っています。不覚にも、「一ノ関圭」氏のこと、知りませんでし

た。


吾妻ひでお氏の「幻の漫画家」の事は、何しろ、本としては、上の一冊と、下の2

冊しかありません、ただし、絵本としては、やっと何冊か見つけたので、これは明

日のご紹介。なお、下の本は、現在、小学館の文庫本で、読めますが、「らんぷ

の下」は売れ中です。表紙は全然違っています。

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「ランプの下」で、第14回ビッグコミック賞を受賞。なお、この時のペンネームが

「夢屋日の市」。白土三平の「カムイ伝」に出てくる、人物の名前だったかな?

という事は、絵は白土三平の影響も受けたのかな?内容は全く違いますが。


なお、この時、東京藝術大学油絵学科在学中だったそうで、絵はしっかりしてし

ているはず。


読んでいると、明治時代の画学生の、愛憎渦巻く物語も多く、「裸のお百」は、明

治時代(この時代、人前で女性が裸になるのは憚られていました。今とは時代が

違います。)のヌードモデルになる主人公が出てきますが、「ランプの下」と読

み合わせれば、女性を縛った責め絵画家、伊藤晴雨のモデルであり愛人。ま

た、大正9年から15年まで、竹久夢二の「黒船屋」「黒猫をだく女」のモデルであ

り、愛人であり、そして、東京藝術大学教授の藤島武二が描いた「芳恵」のモデ

ルであった、「佐々木カ子(ネ)ヨ」、通称「嘘つきお兼」。竹下夢二は「お葉」と呼

んでいますが・・・この、女性の事が彷彿と思い出され、多分、一ノ関圭氏も芸大

ですから、この事も知っていたのでは、と思われます。(私の推測ですが・・・・)


さて、話、元にもどって、「一ノ関圭」氏、あの絵から見て男性の方だと思っていた

ら、女性の方でした。ネットで検索しても、写真が出てきません。

やっと「月刊たくさんのふしぎと」という雑誌と、「江戸のあかり」のという絵本の付

録にを見つけ、載っいることは、載っているのですが、

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という感じで、カットしか載ってませんでした。


この、「ランプの下」の解説を書いているのが、「名取弘文」氏という方であり、肩

書きをみると、「藤沢市立滝の沢小学校教諭」となっており、一ノ関氏との接点は

感じれませんでした。なお、名取氏は、「総合的な学習時間」の講師として「重

信房子」の娘を招聘し、問題になったことがあるようです。


氏は最後に次のように書いています。「伝え聞くところにでは、江戸の謎の画家

写楽をテーマにした作品に取りくんでいるようである。どんな作品になるのか、フ

ァンとしては待ち遠しい」


この、「ランプの下」が出版されたのが1992年。「鼻紙写楽」2003年~2009

年までビッグコミック増刊で不定期連載され、今回、それに大幅加筆、再構成し

本として出版でから、構想から23年、描き始めてから12年かけているわ

す。この後の出版がいつになるのか、待ち遠しい限りです。


なお、氏が描く女性達は、時代に流され、哀愁を帯びながらも、力強く生きる姿を

描いています。又、絵本の方も面白く、これは、また明日~。


なお、「鼻紙写楽」の「鼻紙」は「茶箱広重」を読むと、何となく分かるような感じで

す。「茶箱広重」も面白いです。初代、二代目、三代目広重の話です。


蛇足:伊藤晴雨氏は、警察博物館長 藤澤衛彦氏(1,951年現在)著、伊藤晴

雨氏著・絵で「日本刑罰史」、「いろは引・江戸と東京風俗史」等、優れた風俗画

があり、1960年、出版美術連盟賞受賞。



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